アンドロメダ

アクセスカウンタ

zoom RSS 第84球

<<   作成日時 : 2006/02/24 16:47   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 その年の夏、各県予選直前の高校球界はざわめいていた。大物選手に問題が発生したからだ。間違いなく夏の超目玉だったあの選手に…。消えた…。いなくなった…。何があったんだ? どうしたんだ…? 大騒ぎになっていた。

 それは沖縄予選が始まった頃だった。あるスポーツ紙が一面でドカーンとやった。フリッシュ失踪≠ニ…。

 神奈川・丘陵高校のラグナル・フリッシュ(日本名・三好譲)。昨夏の甲子園で1年生ながら敬遠四球を挟んで6打数連続ホームランを放った怪物。今春のセンバツでは打席では敬遠の連続でまともな勝負をしてもらえなかったが、それでもホームラン2発を放っている。しかも投げては1回戦でノーヒットノーランを達成し、チームは堂々の全国制覇だ。ケタ外れのパワーは超高校級どころのレベルではない。もはやフリッシュを抑えられるヤツはいないのではないか、とまでいわれた。今夏ももちろんダントツのV候補、春夏連覇さえも必至と見られていたほど。その主役がいなくなったというのである。

 スポーツ紙の報道によると、原因ははっきりしていないが、関係者の推測として私生活に悩みを抱えていたようだ≠ニのコメントを掲載している。日本人両親の三好賢三、貴子夫妻は警察に捜索願を出したことを明かしており、何らかの事件に巻き込まれた可能性さえ取りざたされていたから、周囲はビックリ仰天だ。

 それから1週間ほどは連日、この問題が各スポーツ紙をにぎわせた。フリッシュは身長2メートル、体重100キロの巨漢。いろんなところから目撃情報も寄せられたようだが、どのスポーツ紙もコレ、という情報をつかんでいなかった。警察の方でも捜査の進展はなかった、という。こうなれば、もはや大憶測大会だ。ああでもない、こうでもない。まさにホントかウソかわからないような情報が、これでもか、これでもか、とばかりに飛びかった…。言っておくが、フリッシュは体はデカイがまだ17歳の少年である。なのに、なかにはとても表現できそうもない話まで掲載する週刊誌もあった。まさにフリッシュ大騒動だった。

 そんなフリッシュが発見されたのは、騒ぎ勃発から11日目のことだった。奇しくも神奈川県予選が始まった日。父・三好賢三氏が沈痛な表情を浮かべて始まった記者会見で、それは判明したのだった…。

「残念ながら、譲は、フリッシュは…。今大会予選に出場できなくなりました…」

 賢三氏は声を振り絞るように説明し始めた、という…。


 X   X   X   X   X   X   X   X


 アンドロメダ的夏。未来を担う球児たちの、その年の夏はこの騒動から幕を開けた…。



  • 参照:第7球





  • 第85球へ



  •  

    テーマ

    関連テーマ 一覧


    月別リンク

    トラックバック(0件)

    タイトル (本文) ブログ名/日時

    トラックバック用URL help


    自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

    タイトル
    本 文

    コメント(0件)

    内 容 ニックネーム/日時

    コメントする help

    ニックネーム
    URL(任意)
    本 文

    メルマガ野球小説アンドロメダ

    メルマガ登録・解除
    野球小説アンドロメダ

    読者登録規約
    >> バックナンバー
    powered by まぐまぐ!
     
    第84球 アンドロメダ/BIGLOBEウェブリブログ
    文字サイズ:       閉じる