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zoom RSS 第269球

<<   作成日時 : 2008/09/08 01:38   >>

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 瑞泉(西東京)GSコンビの「S」早瀬将吾の母・愛子はマンモスの打席に立つ息子を見ながら、隣の夫・達将の高校時代とダブらせていた。自然と目に涙があふれた。今、ここにいるだけで幸せだった。あれから何年もたってから、こんな気持ちになれるなんて…。「将吾、ありがとう」。心から、そう思っていた。



 早瀬は感じていた。これも父から譲り受けた才能だろう、と…。本格的に野球を始めて以来、どんどん、野球が好きになった。異常に好きになったからこそ、上達も早かったと思っている。まるで、それに合わせるように大きくなっていた体。すべてが、野球中心に回転し始めて、早瀬は変わった。





 瑞泉・風喜監督もここまで早瀬が急成長するとは思ってもいなかった。特に、このマンモスに来てからの成長度合いには驚くしかなかった。決勝ではここまで何と3打席連続ホームラン。足の速さ、肩の強さ、そしてシュアな打撃。これが、予選までの早瀬の特徴だった。もちろん、それだけでも凄すぎる素材だった。それが、また進化した。長打力までもが完全に上乗せされた形だった。






 早瀬はこの試合で足も肩も痛めていた。武器が2つ、もぎとられた。ところが、それを今度は長打力でカバーしようというのだから、風喜監督もただただ驚くしかない。「ここでホームランを狙って打つなんて…。しかも本当にやりやがるからなぁ。いったい、アイツはどこまで大きくなるんだろう」と思った。






 瑞泉にはもう1人、末恐ろしい逸材のGSコンビ「G」剣源氏もいる。風喜監督は「選手に恵まれた。ツイているとしか言いようがないな」と思っている。これから、もっともっと、すごい選手になっていくであろう2人を指導できることを幸せに思った。







 守野台(兵庫)のマウンドにはプロも注目の神戸の豪腕・太薙原紘一が復活した。確かに凄いボールを投げ込んできている。風喜監督もそれはわかっている。だが、不安はなかった。現在、6−7で1点を追う立場。だが、余裕もあった。「早瀬なら何とかする」と…。







 2球目をファウルしたとき、早瀬は太薙原のボールを「重い」と思った。これまで対決した、どの投手よりも、速くも感じた。実際は147キロ。これまでに、もっと速い投手と対戦したこともあるので、一番速いは間違いなのだが、そう感じた。しかし、なぜだろう。「何とかなる」と思えた。問題は痛めている足と肩だけ。それでも「ちょっと無理すれば、何とかなる」と考えた。







 データがあった。試合前にも太薙原のビデオを見た。守野台の1年生投手・飛浦海斗が疲労困憊だっただけに、いきなり、太薙原が先発してくることさえ想定した。「太薙原が投げられる状態になったらしい。決勝戦には出てくるかもしれない」との事前情報も入っていたからだ。だから、最初、太薙原がブルペンにでてきた時も瑞泉ナインはそれほどびっくりはしていなかった。






 太薙原の武器はストレートとスライダーだ。早瀬はビデオでそれを分析したとき、剣とこう話していた。「このピッチャーはここぞの時は必ず、ストレートを投げているように見えるよな」





 実際のデータはそんなことはない。勝負球でスライダーもちゃんと使っている。だから、早瀬の見立ては間違い。データが出ているのだから、完全に間違いだ。でも、剣も同じ意見だったという。キャプテンの坂芽から「お前ら、ちゃんとデータを見ろよ。せっかく、うちのスコアラーが調べてくれたんだから」ときつく言われたので、この件に関して2人はそれ以上、言わなかったが…。





 カウント2−0と追い込まれてから、早瀬はごく当たり前のように、こう考えた。「スライダーはない。そして3球勝負で来る」と…。マンモスで成長し、さらに進化する男は太薙原のボールに対応すべく、身構えた。





 3球目。太薙原、渾身のボールが来た。真ん中高めに来た。




 「グッ」


 

 力が入った。




 早瀬は鋭いスイングで対抗した。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
大変ごぶさたしております。
このたび心機一転、野球ブログを一変しました。
俊吾さんなら、まだ書きつづけてらっしゃると思い、まっさきに挨拶に向かわせていただきました。

アンドロメダもリニューアルしていて驚きました。
大変見やすく、興味をそそります。
これからも執筆頑張ってください。

こちらは不定期になるとは思いますが、再び野球について書いていきますんで、どうかよろしくお願いします。

そして、面倒ではありますが、リンクを新しくしていただけたら助かります。
マラミン
URL
2008/09/09 15:56
マラミンさんへ。
さっそくのコメント、ありがとうございます。こんな感じですが、何とかアンドロメダは続いています。読んでいただけるとうれしいです。リンク、変更しました。お互い、頑張りましょう。また遊びに来てください。
妃垣俊吾
URL
2008/09/10 03:49

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