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zoom RSS 第270球

<<   作成日時 : 2008/09/15 23:59   >>

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 「守野台! 守野台! 守野台!…」。海斗マニア団長の香村瞳は相変わらず声を張り上げていた。愛しの飛浦海斗はマウンドにいない。マンモスにもいない。それでも精一杯の応援だった。スタンドから飛浦の分まで、戦うつもりだった。右ポケットの青いハンカチを何度も握り締めた。




 瑞泉(西東京)のGSコンビ「S」早瀬将吾は体全体をムチのようにしならせた。守野台(兵庫)のエース・太薙原紘一が投じた真ん中高めのボールに、タイミングはバッチリだった。イメージ通りでもあった。





 投げた瞬間、太薙原の帽子が飛んだ。きれいに飛んだ。そして、フィニッシュと同時に…。





 KOSMOS放送の塁沢高次アナも珍しく、沈黙した。いつもは「もっと静かにしてほしい」なんて苦情も少なくない絶叫アナもこの対決に見入っていたのかもしれない。





 ネット裏最上段のアンドロメダリーダー・大田原健太郎の目がキラリと輝いたようにも見えた。プレスルームのテレビの前で首都タイムズのアマチュア担当記者の樹鞍諒一は、すぐにリプレーを見たいと思った。海の向こうでインターネット中継で観戦するアンドロメダトレーナーの欅重次郎は太薙原の体を心配した。






 マウンドで太薙原はうずくまった。とっさにうずくまった。





 声を張り上げていた香村瞳ら守野台応援団のなかからは「キャー!」という悲鳴もあがった。





 早瀬はバッターボックスにとどまったまま、一連の動きを見ていた。瑞泉アルプス席の早瀬の父・達将はまだメガホンをギュッと握りしめていた。





 太薙原は立ち上がった。ショートの慶永がすかさずフォローして、早瀬の方へ走った。




 早瀬は頭を下げた。



 守野台の一塁・椿直広も走り出した。




 捕手の石陪歩は太薙原を気遣いながら、ベンチに向かった。






 一呼吸をおいてから、塁沢高次アナが物凄い音量で実況した。




 「さんしーん!」




 ここまで3打席連続ホームランだった早瀬が3球三振に打ち取られた。





 ボールは石陪のミットにしっかりおさまっていた。代わりに飛んだのは早瀬のバット。凄い勢いでマウンドを襲ったが、間一髪、太薙原は避けたのだった。




 6回表、瑞泉は守野台の椿、太薙原のリレーに三者凡退に終わった。

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