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zoom RSS 第289球

<<   作成日時 : 2009/01/26 02:24   >>

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 米国遠征に旅立った瑞泉(西東京)GSコンビ「G」剣源氏の表情はたえずさえなかった。「オレだけこんなことをしていていいのだろうか」。そんな気持ちだった。試合内容もさえなかった。第1戦に先発したが、打ち込まれた。バッティング調子ももうひとつ。どうにも集中していなかった。



 マンモス大会ベスト8入りした愛知・にしき水惣野球部の解散は翌日のスポーツ紙に大きく報じられた。162キロエース・結城亮らスーパー1年生たちの今後の進路について、いろんな野球強豪校が誘いをかけている、との報道もあった。部員はすべて野球特待生。全員、水惣から、他の高校に編入することが決まっていたからだ。




 前日の会見では発表されなかったが、皆、それぞれの地元に帰ることになっていた。強打、強肩の4番打者・大和竜照は兵庫・尼崎市内の学校に「転校」する。マンモス出場経験もある学校だ。ミラクルキャッチで話題になった飛騨隆久外野手は岐阜・幣台高校に行く予定。そこにはアンドロメダが密かに注目する逸材もいるのだが…。



 そんななかマスコミ最大の興味は結城亮がどこにいくか、だった。



 首都タイムズ・アマチュア担当記者の樹鞍諒一は会社のデスクにこの件に関して「1日だけ待ってください」と頼んでいた。その進路について、ニュースをつかんでいた。




 前日の会見後、樹鞍は結城亮の父でもある大企業「YUKI」の結城会長に電話取材をかけた。アンドロメダリーダー・大田原健太郎の実兄で水惣のスカウトマン・大田原連太郎について聞くためだ。



 結城会長は「自分が話したことは言わないでほしい」との条件で教えてくれた。今回の解散は連太郎が言い出したことだと…。水惣でのスカウト活動をやめる、と申し入れたのが引き金だったと…。水惣サイドに野球部解散をすすめ、もしも、そうしなければ、スカウト活動時の、さまざまな裏の出来事を暴露する、と、もちろん、連太郎自身が非難されるのは覚悟の上と…。



 連太郎は「野球留学」の形そのものに疑問を感じていたようだ、とのことで、とにかく引かなかったという。


 樹鞍は駆け出し記者時代、連太郎、健太郎兄弟の父で元エイチエフスカウトの大田原源太郎に大変世話になった。その生真面目な仕事ぶりはよく知っているつもり。曲がったことが大嫌いな人だった。金まみれの野球界をもっとも嫌っていた人だったと…。だから、結城会長の話を聞いて勝手にこう解釈してしまった。「連太郎さんはお父さんの気持ちがわかったんだ。そういうことに違いない」。



 実は連太郎が水惣をやめる、と言い出したのは陰のコーチ・ミスターKの指導方法が関係していた。選手たちを洗脳する秘密の指導法が…。樹鞍は源太郎を知るあまりに、そっちに頭が回っていなかった。結局、この時は知らずに通り過ぎてしまった。




 そして結城会長にあわせて、息子・亮の進路も聞いていた。



 会長は隠さずに教えてくれた。「亮は他の学校には行かない。水惣に残る」と。




 「野球部が解散しても残るんですか。なぜ? まさか野球をやめるわけじゃないでしょ」



 樹鞍が聞くと、電話口の会長はちょっと暗い声になった。








  米国アリゾナ。日本の高校選抜チームは米国の高校選抜チームとそこで戦っていた。優勝した守野台(兵庫)紀中監督が指揮をとっていたが、メンバーは寂しいものだった。神戸の豪腕・太薙原紘一や1年生右腕・飛浦海斗、瑞泉GSコンビ「S」早瀬将吾はケガで出場どころではない。全員、出ていたらすごいチームになっただろうに…。準優勝の瑞泉からは剣が出ていたが、やはり寂しそうだった。もちろん、結城亮もチームはベスト8で敗れたものの、通常なら選らばれる選手。実際、当初はメンバー入りの予定だった。しかし、ノーヒットノーランを達成した3回戦の試合で痛めた肩の状態が悪いとの理由で辞退していた。



 出場辞退といえば、真極学園の四天王(古城直人、高杉賢明、毛利拓馬、荒堀浩二)もそう。こちらも全員にいったん声がかかりながら、断っていた。毛利はケガが理由だったが、他の3人は…。いずれも2年生で、秋に向けて新チームもスタートしている。ところが、この真極学園でも、ひと騒動が起きていた。



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    ブログで公開されるなら
    出来るだけメニューページを作って欲しいです。

    ブログで公開というのは
    「作者には易く、読者に難い」物ですので
    余程コアなファンでもない限り付いてきませんから

    http://sitennsi.blog98.fc2.com/blog-category-22.html

    参考にどうぞ
    マッチョ
    2009/01/28 02:00
    マッチョさんへ。
    コメントありがとうございます。仰る通りだと思います。未熟ものですので、現在、研究中ですが、いつか必ず。ありがとうございます。頑張ります。
    妃垣俊吾
    2009/02/02 02:48

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