アンドロメダ

アクセスカウンタ

zoom RSS 第300球

<<   作成日時 : 2009/04/13 03:31   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 アンドロメダ的秋…。東京都内のホテル別室でアンドロメダリーダーの大田原健太郎らメンバーが勢揃いして、会議の結果を待っていた。とりわけ北海道地区担当調査員の架嶺雄大は落ち着かなかった。「架嶺さん、コーヒー、どうぞ」。九州地区担当調査員の神威小次郎も気を使った。運命のドラフトだった…。



 時が流れた。



 別室には大きなテーブルがひとつ。それを囲んでアンドロメダメンバーが座っていた。そこでサブリーダーの鬼車寅吉がコーヒーを飲みながら、しみじみとつぶやいた。


 「リーダー、思えば、去年から今年にかけて、いろいろなことがありましたね」



 健太郎は優しく微笑んだ。その表情はグレートの総務課長の村澤三四郎にもよく似ていた。年をとるたびにどっしりしてきた。



 「特に去年の夏頃から、いろいろと…ね」



 健太郎もしみじみ、といった感じだった。



 「やっぱ、去年の夏のマンモスですよねぇ」


 そう言ったのは神威だ。架嶺にコーヒーをふるまった後に、無理やりの標準語で…。




 「そうそう、振り返れば、スタートは丘陵のフリッシュの失踪問題だった…」



 ゆっくりとした口調で鬼車はなぜか目を閉じた。



 メンバーも同じ気持ちだっただろう。いろんなことが思い出されたはずだ。



 その後アンドロメダ入りした大門昭二率いる轟大学園と早瀬将吾、剣源氏のGSコンビを擁する瑞泉の一戦。準メンバーだった俵星光は将来性を感じさせた。毛利拓馬、高杉賢明、古城直人、荒堀浩二の真極学園四天王と結城亮、大和竜照、明智吾郎ら1年生軍団・にしき水惣の対決は驚きの連続だった。スコアは大味なものになったものの、その実力は高校生レベルをはるかに越えていた。マンモスに彗星のごとく現れた人気者・飛浦海斗も見逃せない。守野台との決勝戦でのやぶれかぶれの力投は恐れ入った。そして、守野台のエース・太薙原紘一の剛速球と悲劇…。



 「マンモスといっても、本選だけじゃなく、予選もね」。神威がまたまた無理やりの標準語で付け加えた。



 「それを含めての去年の夏のマンモスって神威は言いたいんだろ。もちろん、わかっているよ。桜福坂の速水はウチのメンバーだし、丘陵の流鏑馬もすごかったし…」と鬼車が笑いながら答えた。



 ここで、それまで黙っていた架嶺も口を開いた。



 「夏が終わってからも、いろいろありましたよね。にしき水惣の解散とか、真極四天王の高杉と古城の中退とか…。秋には大学野球でも…」



 神威がなぜか標準語をやめようとせず「北斗星大の日向には驚きましたよねぇ。特に、あのバッティングはすごかった。でも野球をやめるっていうし…」と割って入った。



 「あの時のリーダーの動きは速かったですねぇ。あの熱意には日向の方が驚いていましたからね」と反応したのは鬼車だ。健太郎は「まぁ、いろんな条件がついたけど、あれはあれでよかったと思う」と話しながら、さっきの鬼車のように目を閉じた。きっと当時を思い出していたのだろう。日向説得に動いた、あの短くて密度の濃かった日々を…。




 そんななか、標準語の神威が「それから今年ですよね。昨年夏Vの守野台(兵庫)が春も、そして夏も…。あのピッチャーは確かにねぇ…」とうなるように話し、ここで架嶺がやはり落ち着かないのか、立ち上がった。



 「架嶺さん、大丈夫ですよ。きっと…。うまくいきますよ」。優しく優しく、健太郎が声をかけた。



 運命のドラフトで架嶺が担当したメンバーが、アンドロメダ初のプロ選手になろうとしていた。



 「さあ、いよいよです」



 健太郎が静かに言った。



 それは夢への第一歩。アンドロメダの新たな歴史が始まる合図のようでもあった…。







  • 前球(第299球)へ


  • 次球(第301球)へ

  • テーマ

    関連テーマ 一覧


    月別リンク

    トラックバック(0件)

    タイトル (本文) ブログ名/日時

    トラックバック用URL help


    自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

    タイトル
    本 文

    コメント(0件)

    内 容 ニックネーム/日時

    コメントする help

    ニックネーム
    URL(任意)
    本 文

    メルマガ野球小説アンドロメダ

    メルマガ登録・解除
    野球小説アンドロメダ

    読者登録規約
    >> バックナンバー
    powered by まぐまぐ!
     
    第300球 アンドロメダ/BIGLOBEウェブリブログ
    文字サイズ:       閉じる