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zoom RSS テーマ「小説」のブログ記事

みんなの「小説」ブログ

タイトル 日 時
第305球
 「あの出会いがなかったら、今頃…」。アンドロメダ調査員の架嶺雄大は、また、そんなふうに考えていた。過去を振り返るたびに、そう思ってしまう。そして、また、いつものように「人生ってわからないものだよな」とつぶやいてしまう。「もう、これって、俺のクセだな。笑っちゃうな」。口元がまたまた緩んだ。 ...続きを見る

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2009/08/10 01:15
第304球
 アンドロメダ調査員の架嶺雄大は思い出し笑いもしていた。「気がついたら、アンドロメダに入っていたからなぁ…」なんて考えながら…。「俺の原点である札幌が新たな出会いに導いてくれたんだよなぁ…」。昨日のことのように思い出された。1日、1日、変化していた自分の気持ちにさえ気づかずに通り過ぎた日々が…。 ...続きを見る

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2009/07/14 01:47
第303球
 東京都内のホテルでアンドロメダ調査員の架嶺雄大は、自然といろんなことを思い出していた。自分が担当した選手が愛知ソニックからドラフト指名された喜びをかみしめながら…。アンドロメダリーダーの大田原健太郎も同じだったのではないか。あの日がなければ、今はない。そして「彼」がいなければ今はない…。 ...続きを見る

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2009/07/06 02:48
第302球
 「彼」は生活のために必死だった。それが今のすべてだった。1回成功したら、その評判は口こみで広がった。「最高レベル」はなかなか難しかったが、その日の食事は何とか確保していた。アンドロメダ北海道地区担当調査員の架嶺雄大が初めて会った時は、ちょうど2週間が経過したところだったという。 ...続きを見る

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2009/06/08 03:01
第301球
 歴史が動いた…。東京都内のホテルでアンドロメダリーダーの大田原健太郎はメンバーひとり、ひとりと握手をかわした。ついにプロ選手が誕生した。それも、一度に2人…。北海道地区担当調査員の架嶺雄大が少々、驚きの表情の九州地区担当調査員の神威小次郎の肩を叩いた。「やったな」と…。 ...続きを見る

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2009/05/24 02:06
タイム!!!
 タイム!!! ...続きを見る

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2009/04/20 03:11
第300球
 アンドロメダ的秋…。東京都内のホテル別室でアンドロメダリーダーの大田原健太郎らメンバーが勢揃いして、会議の結果を待っていた。とりわけ北海道地区担当調査員の架嶺雄大は落ち着かなかった。「架嶺さん、コーヒー、どうぞ」。九州地区担当調査員の神威小次郎も気を使った。運命のドラフトだった…。 ...続きを見る

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2009/04/13 03:31
第299球
 三塁側スタンド、ベンチ上付近でアンドロメダリーダーの大田原健太郎は目を丸くしていた。「こんな選手がいるなんて…」。これまでも埋もれた人材探しに奔走していたつもりだったが、彼に関してはこれほどのデータはなかった。「手助けしたい」。即座に思った。 ...続きを見る

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2009/04/06 03:45
第298球
 アンドロメダ北海道地区調査員の架嶺雄大はバッグからカメラを取り出した。望遠レンズで北斗星大4年の日向太良を追った。「架嶺さん、しっかりおさえておいてくださいね」とサブリーダーの鬼車寅吉が笑みを浮かべながら、声をかけた。「わかりました。まかせておいてください。でも、さん付けはやめてくださいよ」と架嶺も微笑んだ。 ...続きを見る

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2009/03/30 03:20
第297球
 スタンドにいたソニックの火牙スカウトがピクッとなった。自然となった。それから後ろを振り返った。最上段にいるアンドロメダの面々たちの姿を見た。「もしかして、彼らはこれを…」と思っていた。彼らが好きそうな選手と思ったからだ。「プロなら今のでピンと来るよなぁ」と再び、マウンドに目を向けた。 ...続きを見る

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2009/03/23 02:16
第296球
 北斗星大の学生たちが3人、スタンドで慌しく動いていた。新たにビデオカメラがセッティングされていた。「先輩に頼まれたのか」「いや、監督がとっておいてって。後で先輩にプレゼントするらしい。記念にね」。そんな話をしていた彼らが「おいおい先輩って左ききじゃなかったっけ」とざわつき始めた…。 ...続きを見る

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2009/03/16 02:44
第295球
 「あれっ、神威はどうした?」。アンドロメダサブリーダーの鬼車寅吉が問いかけた。「ちょっと野暮用ができたそうです。あとで追いかけるからって言っていました」「さっきの女性だろう。あいつ、何か顔色が変わっていたから」「それはちょっとわかりませんが…」。そんな会話を聞きながら、リーダーの大田原健太郎は微笑んだ。 ...続きを見る

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2009/03/09 00:43
第294球
 報道陣がざわついた。「それは引退ということですか」。代表質問者も戸惑っていた。「引退とまでいえる身分ではないと思いますが、まぁ、そういうことにもなるのでしょうか。まぁ、活動休止みたいなものと受け取っていただければ…」。精一杯の標準語で答えた。プロサイドにも衝撃を与えた。 ...続きを見る

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2009/03/02 03:17
第293球
 「そんなバカな…」。某スポーツ紙を見て、アンドロメダ九州地区調査員の神威小次郎は思わず声を上げていた。「そがんことが、あるわけなか」。そうぶつぶつつぶやきながら、電話した。向こうは笑っていた。ケータイ越しだからわからないが、たぶん苦笑いを浮かべていたと思う。「気づかれないものですね」とも話していた。 ...続きを見る

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2009/02/23 01:24
第292球
 これまではなかなかできなかった。それを吹っ切った。思い切り、自らを加速させた。後ろは振り返らず、とにかく前を見た。前だけを見た。信じた。自分を信じた。いつか必ず好結果が生まれる。いつか必ず、自分が納得できる成功がついてくる、と…。きれいごとでいい。情熱がそうさせていた。 ...続きを見る

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2009/02/16 01:23
第291球
 夏の終わり、神奈川マジックの高杉明太郎は驚きの声をあげた。「なぜ、どうして」。そう言いたかった。でも、あまりに真剣な表情にそう言えなかったという。半分、頼もしく見えたからだという。「いつのまにやら…」と思った。そして最後には「その代わり、後悔するな。前を向いてやれ!」とハッパをかけた。 ...続きを見る

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2009/02/09 00:34
第290球
 東東京・真極学園の大伴監督は「もう、これ以上言っても無理なんだろう」とあきらめた。それほど、彼、いや彼らの決意はかたかった。「また、秘密兵器をつくらないとな」。指揮官はつぶやいた。いったい、何が起きたのか。きっかけは、一通の手紙。それが届いてから、事態は急展開していた。 ...続きを見る

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2009/02/02 02:58
第289球
 米国遠征に旅立った瑞泉(西東京)GSコンビ「G」剣源氏の表情はたえずさえなかった。「オレだけこんなことをしていていいのだろうか」。そんな気持ちだった。試合内容もさえなかった。第1戦に先発したが、打ち込まれた。バッティング調子ももうひとつ。どうにも集中していなかった。 ...続きを見る

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2009/01/26 02:24
第288球
 マンモス大会後、米国遠征メンバーが発表された。瑞泉(西東京)のGSコンビ「G」剣源氏らが選ばれた。大会では特にスーパー1年生の活躍が目立ったが、代表に名前を連ねたのは、その剣だけだった。他の有力候補は故障などを理由に辞退していた。さらに1年生だけではない。2年生のあの面々も…。 ...続きを見る

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2009/01/19 02:14
第287球
 熱い戦いの終わりとともに、予期せぬことが発覚した。それも夏のマンモスを魅了した球児のことで…。首都タイムズアマチュア担当記者の樹鞍諒一は慌てた。すぐに電話した。「何か聞いていませんか」とー。連絡を受けたアンドロメダリーダーの大田原健太郎は「制度改革のようですが…」と答えた。 ...続きを見る

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2009/01/11 01:02
タイム!!
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2009/01/01 15:31
第286球
 アンドロメダリーダーの大田原健太郎は調査員たちを大阪市内の某料理店に集めた。マンモス大会までを振り返り、ざっくばらんに話をしながら…。そのなかでサブリーダーの鬼車寅吉がこんな話をした。「これはリーダーには伝えていることですが、明日、マスコミ発表されることがあります」―。 ...続きを見る

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2008/12/29 01:55
第285球
 マンモスのグラウンドでは表彰式後の選手たちの行進が続いていた。スタンドからは両チームをたたえる拍手が鳴り響いた。決勝戦の主役たちのうち、数名はその場にいないのが残念だったが…。瑞泉(西東京)GSコンビ「G」剣源氏の目からは再び涙がこぼれた。守野台(兵庫)椿直広は放心状態のまま歩いていた…。 ...続きを見る

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2008/12/22 04:24
第284球
 へなへなと座り込んだ。力が抜けた。まさか、こんなことに…。マンモスのざわめきもBGMみたいな気がした。画面を通じても、それがわかった。そんななか周囲は慌しかった。サイレンが近づいてきたからだろう。同じ場所に集結することになるなんて、もちろん思ってもいなかった…。 ...続きを見る

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2008/12/15 04:00
第283球
 騒然、異様なムードのなかで試合は再開となった。だが、守野台(兵庫)、瑞泉(西東京)両軍ナインともに、表情はさらに硬かった。気持ちを切り替えなければ、と誰もが思ってはいたのだが…。9回二死。まさか、こんなヤマ場がこようとは…。スタンドの盛り上がりもやはり、それまでとは違っていた…。 ...続きを見る

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2008/12/15 03:46
第282球
 サイレンが鳴り響いた。守野台(兵庫)対瑞泉(西東京)。マンモスには両軍サイドの声も響いた。スタンドの両軍サイドからも同じような声が…。KOSMOS放送の塁沢高次アナの声はかすれきっていて、聞き取りにくかった。雨上がりの空の色がなんとも言えない色にも見えた。 ...続きを見る

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2008/12/07 03:35
第281球
 マンモスのスタンドが揺れた。守野台(兵庫)サイドからは「あと1球」コールが何度も何度も…。瑞泉(西東京)サイドからは「早瀬」コールが、これまた何度も何度も…。雨上がりの空の輝きが増した。灼熱の夏の空。グラウンド上の体感温度はいったい…。球場全体が熱く、熱く…。 ...続きを見る

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2008/11/30 02:39
第280球
 その時、西宮市の某病院で飛浦海斗は声を失っていた。ロビーのテレビに群がっていた患者さんたちはざわつくばかりだった。守野台(兵庫)のエース・太薙原紘一対瑞泉(西東京)の1年生GSコンビ「S」早瀬将吾。マンモス決勝戦9回表二死からの対決は…。 ...続きを見る

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2008/11/23 04:58
第279球
 KOSMOS放送の絶叫アナウンサー・塁沢高次のボルテージは上がりっ放しだった。1球ごとにシャウトした。スタンドもそう。1球ごとに双方の応援席から交互に声が上がっているような感じだった。マンモス決勝戦は、いよいよ大詰め。クライマックス。気合、気迫がグラウンド上に渦巻いた。 ...続きを見る

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2008/11/16 02:06
第278球
 センターのポジションについた瑞泉(西東京)GSコンビの「S」早瀬将吾は肩と足を軽くさすっていた。「何とかお願いします。持ちこたえてください」。祈っていた。ここでリタイアするわけにはいかない。あと一勝負、残っている。「打てないはずはないんだ」。そう言い聞かせた。 ...続きを見る

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2008/11/09 04:10
第277球
 マウンドをならしながら、集中しようと思った。もう1点もやるわけにはいかない。これ以上の失点は致命傷になる。相手を見て、そう思った。でも自分が抑えれば、必ず勝機はある、と思った。アイツは二度、同じやられ方はしない。そう信じていた。必ず、そうなる、と確信していた。 ...続きを見る

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2008/11/02 02:16
第276球
 守野台(兵庫)の2年生・椿直広は、あの時のことをよく覚えている。同時に後悔している。あの日、あの時間に、なぜ、自分は…。もしも、いつも通り、秘密練習場に向かっていたら、あんなことにはならなかったかもしれないのに…、と。それだけに、今、この時が、マンモスの同じグラウンドにいることがうれしかった。 ...続きを見る

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2008/10/27 03:25
第275球
 声を荒げて走った。もう、やみくもに走っていた。後先のことは考えていなかった。ただ、動いた。動かないとヤバイことが起きる。そう判断した。「おい! お前ら!」。もう一度、叫んだ。いくつかの黒い影が一斉に動いた。その先を歩く、明るい声はまだ響き渡っていた。 ...続きを見る

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2008/10/19 02:21
第274球
 女子学生の明るい声が聞こえた。うれしくて、たまらないって感じで、その声はまさに弾んでいた。聞いている人間までハッピーな気分になるような声だったという。太薙原紘一(守野台)はその声を寝転んだまま、聞いていた。自然と微笑みながら…。だが、その後に…。 ...続きを見る

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2008/10/13 02:49
第273球
 バットを2、3回、振ってから打席に入った。ピッチングよりバッティングが好き。自分が取られた分は自分で取り返してみせる、と意気込んでいた。ドデカイ、とてつもない相手であることは、わかっている。燃えた。同時に打ち崩す自分の姿を想像した。想像できた。ライバルは3本塁打。続こうと思った。 ...続きを見る

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2008/10/06 04:02
第272球
 何かが光った。まぶしい、と思った。だが、それから先のことはよく…。ましてや、まさか…。体が覚えていたから、よかったのだろうか。助かったのだろうか。それもよくわからない。誤算だった。計画がすべて狂った。正直、あきらめてもいた。そして、励ましはパワーを与えてくれるもの、とその時、初めて気がついたという。 ...続きを見る

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2008/09/29 03:52
第271球
 「大丈夫か」。イニングの合間、ほんの短い時間だったが、瑞泉(西東京)ベンチでも、守野台(兵庫)ベンチでも、同じような会話がなされていた。「ええ、大丈夫です」。回答も同じようなものだった。大熱戦のマンモス決勝。スタンドの盛り上がりも、いよいよ…。両軍アルプス席も実に騒々しかった。 ...続きを見る

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2008/09/22 01:43
第270球
 「守野台! 守野台! 守野台!…」。海斗マニア団長の香村瞳は相変わらず声を張り上げていた。愛しの飛浦海斗はマウンドにいない。マンモスにもいない。それでも精一杯の応援だった。スタンドから飛浦の分まで、戦うつもりだった。右ポケットの青いハンカチを何度も握り締めた。 ...続きを見る

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2008/09/15 23:59
第269球
 瑞泉(西東京)GSコンビの「S」早瀬将吾の母・愛子はマンモスの打席に立つ息子を見ながら、隣の夫・達将の高校時代とダブらせていた。自然と目に涙があふれた。今、ここにいるだけで幸せだった。あれから何年もたってから、こんな気持ちになれるなんて…。「将吾、ありがとう」。心から、そう思っていた。 ...続きを見る

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2008/09/08 01:38
第268球
 アンドロメダ的夏…。スタンドの視線は1点に集中していた。瑞泉(西東京)アルプス席では、GSコンビの「S」早瀬将吾の父・達将が、いつのまにか、横にあったメガホンを強く握り締めていた。おそらく、見ている人の多くがそうだっただろう。「対決」に力が入った。息も飲んだ。ドキドキした…。 ...続きを見る

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2008/08/31 01:33
第267球
 守野台(兵庫)の捕手・石陪歩はこぼれそうになる涙を懸命にこらえた。いつも当たり前のようにあったものが、突然、なくなってから、ここまでの大変だった日々を思い出したからではない。「オレのことなんて、アイツの苦しさに比べたら…」。苦しくなったらいつも、そう思ってきたから…。本当に、本当にうれしかった。 ...続きを見る

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2008/08/25 02:54
第266球
 ネット裏の動きが慌しくなった。プロのスカウト陣の目が光った。アンドロメダリーダーの大田原健太郎は携帯電話を取り出した。九州地区担当調査員の神威小次郎が「国際電話ですか」と標準語で聞いた。サブリーダーの鬼車寅吉はメガネのレンズをふき始めた。打席では瑞泉(西東京)GSコンビの「S」早瀬将吾が軽くスイングしていた。 ...続きを見る

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2008/08/17 01:51
第265球
 じっと見つめていた。タイミングを計っていた。不思議と、やりにくいな、とは思わなかった。守野台(兵庫)の1年生先発投手・飛浦海斗のナックルボールに対応できたからだろうか。それとはまた異質な相手とはいえ、何とかなりそうな気がしていた。「体さえ持ちこたえてくれたら…」。不安はそれだけだったという。 ...続きを見る

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2008/08/09 02:32
第264球
 思い出していた。ここまでの道のりを…。いろんなことがあった。つらいことも、楽しいことも…。雨が上がり、強烈な日差し。体感温度はさらに上がった。立っているだけで汗がふき出した。マウンドに、その汗が落ちるのもわかった。暑かった。だが、ここまでを振り返れば…。「もうオレは逃げない!」。また、そう思った。 ...続きを見る

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2008/08/02 00:58
第263球
 雨の後のマウンドは、やはり、ちょっとやわらかい感じがした。でも、そんなことはどうでもよかった。自分の鼓動が聞こえた。緊張感だけではない、と自分には言い聞かせた。もう逃げない、とも言い聞かせた。右腕を高く上げ、おろした。「いざ!」。ちょっとだけ声をあげた。今度は太陽が照りつけた。 ...続きを見る

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2008/07/26 04:16
第262球
 グラブを外して、軽く屈伸した。それから、ユニホームを脱ぎ、アンダーシャツを脱いだ。バッグからタオルを取り出し、汗を軽くふき取った。左手で右ひじを触った。右肩をなでた。深呼吸して、新しいアンダーシャツを着た。もう一度ユニホームに袖を通した。帽子をかぶりなおした。グラブを持った。ベンチに向かった。 ...続きを見る

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2008/07/19 02:35
第261球
 雨足が強くなった。グラウンドにも水がたまりそうだ。審判が試合を中断してもおかしくない勢い。だが、そのコールはない。銀傘の下のアンドロメダの面々も「ちょっと続行は厳しいんじゃないの」と話していた。白熱の決勝戦。その空模様も両チームに影響を与えるのか。 ...続きを見る

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2008/07/12 04:15
第260球
 センターの瑞泉(西東京)GSコンビの「S」早瀬将吾も走った。全速力ではない。流した感じで走った。足の状態からして、それしかできなかった。マウンドのGSコンビの「G」剣源氏はそれを余裕の表情で見つめていた。満足そうな表情といった方が正解か。「勝った…」。そう確信していたようだ。 ...続きを見る

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2008/07/05 04:06
第259球
 どうしても気になった。同じ高校1年生。正直、自分の方が力は上だろう、って思ってはいた。向こうはすごい人気だけど、顔だって、とさえ思った。だからだろうか。いざ対決すると、意識した分、何となく…。「負けたくない」。そう思った。力んでいた。しかし、それが不思議と…。 ...続きを見る

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2008/06/28 01:47
第258球
 マンモス決勝戦。KOSMOS放送の塁沢高次アナは入れ込んでいく自分をわかっていた。「オーバートークは控えよう」と考えていたものの、だんだんと本来の…。すでに何度も絶叫はしていた。だが、まだまだ序の口のつもりだったようだ。試合は中盤。全国のお茶の間に、本格的な塁沢節もいよいよ炸裂しようとしていた。 ...続きを見る

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2008/06/21 02:27
第257球
 海斗マニアの団長・香村瞳は「今こそ、私たちの出番よ!」とアルプス席で「団員」たちに声をかけた。守野台(兵庫)の1年生投手・飛浦海斗が苦しんでいる。「私たちの声で彼に元気を与えたい」。そう思った。これまでだって、声を張り上げてきたのに、この時はさらにそう思えてならなかった、という。 ...続きを見る

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2008/06/14 03:06
第256球
 マンモスのブルペンで守野台(兵庫)のエース・太薙原紘一は、しゃがみこんでいた。「大丈夫ですか」。遠くから、そんな声が聞こえてきたが、これには返事はせずに、右手を上げて微笑み返した。下を向いて、上を向いた。これを3回、繰り返した。自然にこんな動きになった。いつのまにかクセになっていたようだ。 ...続きを見る

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2008/06/07 01:46
第255球
 気持ちがこもっていた。腕を思いっきり振った。振れたのがうれしかった。まったく痛くなかった。なんともなかった。むしろ、以前よりも軽かった。指のかかりも、よくなっていたと思う。いい球がいったな。確かにそう感じた。なぜ、こんなに…。わからなかった。自分の体のことなのに…。急に、できた。 ...続きを見る

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2008/05/31 02:20
第254球
 瑞泉(西東京)アルプス席で、GSコンビの「S」早瀬将吾の妹・瑠未が立ち上がって、声をからしていた。彼女だけではない。隣の父・達将も母・愛子も、1球、1球、興奮していた。1球、1球、声をあげた。そんな3人もちょっとびっくりした。それは守野台(兵庫)応援団も同じ反応だった。 ...続きを見る

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2008/05/24 04:22
第253球
 瑞泉(西東京)アルプス席からも再び黄色い声が響き渡った。「ゲンジ! ゲンジ! ゲンジ!…」。打席に向かうGSコンビの「G」剣源氏もその声がはっきり聞き取れた。ピッチングでなえていた心が、この時は再び高ぶっていた。イメージもできていた。自分が取られた分は自分で取り返す! 燃えていた。 ...続きを見る

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2008/05/17 03:44
第252球
 力があふれてきたような気がした。そうなんだ、と一生懸命、自分に言い聞かせた。肩は重い。でも、まだまだ自分の方がマシなんだから…と。全力で投げることができる。全力で走ることができる。あいつらに比べれば、恵まれているんだ、と考えた。そう思えば、楽になったような気もした。 ...続きを見る

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2008/05/10 01:48
第251球
初体験だった。珍しく興奮したという。歓声に感謝した。何とか対応してくれた限界に近い体にも感謝した。さらに自分にはこう言い聞かせた。「戦いはまだまだ続く。これで気を緩めるな!これからが勝負だ!」。そう思わないとやっていけないような気がした、という。 ...続きを見る

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2008/05/03 03:31
第250球
 「大丈夫か」。そんな声に振り返り、オーバーアクションで「ハイ、大丈夫です!」と答えた。本当は大丈夫、ではなかった。痛みもあった。しかし、これを敵に悟られてはいけない、と思った。普通に、普通に。それを言い聞かせながら、いつもよりもゆっくり歩いた。 ...続きを見る

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2008/04/26 02:17
第249球
 肩が一段と重く感じた。「落ち着け! 落ち着け!」。いろんな人が、きっとそう言っているんだろうなぁって、なぜか人ごとのように思えたという。こんな大舞台で、どうしたんだ、どうなったんだ、オレは…。わかっているけど、体がこの時は動かなかった。 ...続きを見る

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2008/04/19 03:55
第248球
 ちょっとの間、何も考えられなかった。頭の中が一瞬、真っ白になったような…。スタンドの大歓声も耳に残らない。無音の世界の中に、たった一人だけ、いるような、そんな気さえした。それから、我に帰った。現実の世界に戻ってきた、というべきか。足が自然と震えた…。 ...続きを見る

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2008/04/12 23:07
第247球
 マンモスには本当に「魔物」がいるのだろうか。瑞泉(西東京)対守野台(兵庫)の決勝戦。両軍ベンチ、ともに、それを痛感するゲーム展開になった。壮絶な戦い。この後、どんなドラマが待っているのか、もちろん、誰もわからない。だが何かが起きそうなムードだった…。 ...続きを見る

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2008/04/05 03:54
第246球
 乱れた心を正常に戻すことがなかなかできなかった。普通が普通でなくなっていた。体は元気なはずなのに、相手投手より、ずい分、楽なはずだったのに…。キャッチャーのミットが遠く感じた。そして、軽すぎた肩が突然、重く感じ始めた。 ...続きを見る

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2008/03/29 04:41
第245球
 アンダーシャツを着替えた。右手で何度もグー、パーを繰り返した。指先の感触があまりなかった。肩もヒジも痛くなかった。もうわからなかった。自分の状態が…。ただ声を出した。味方打線を元気づけるために、大きな声で…。気合は負けていなかった。 ...続きを見る

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2008/03/21 03:39
第244球
 隣の父兄から「やったぁ」と声をかけられた。「すごい、すごい」と何度も言われた。娘も妻も最高の顔をしていた。グラウンドでは投げ終わった息子が落とした帽子を拾って、かぶり直していた。顔はよく見えない。でも間違いなく最高の顔をしていた…。 ...続きを見る

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2008/03/15 03:23
第243球
 わからなかった。自分の中に何が起きたのか、どうなってしまったのか…。一生懸命考えた。考えれば、考えるほど、うまくいかないような気もした。一生懸命、リラックスしようと思った。そう思えば、思うほど、かたくなっているような気がした。 ...続きを見る

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2008/03/07 16:00
第242球
 1球投げるたびに、指先がしびれた。握力がなくなってきたような気もした。ナックルを投げ続けているのが不思議だった。「変化してくれ!」って祈るようにもなった。前向きに、前向きに…。1球、1球、プラス思考の思いもボールに乗せた。 ...続きを見る

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2008/03/06 02:57
第241球
 思い出の品だった。勝手に記念の品にしていた。お守りにもしていた。あの人のことも、これが守ってくれるはず、と思い込んだ。目と目があった、あの日のことが忘れられない。そこから始まった。熱い、熱い夏が…。 ...続きを見る

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2008/02/29 03:31
第240球
 兵庫・守野台の1年生・飛浦海斗は猛然と走った。足はそんなに速くない。それが大舞台でものすごく速くなったように見えた。ベンチから、応援団から歓声が上がる中、二塁を蹴った。、三塁も蹴った。目指すはホームベースのみ、だった。 ...続きを見る

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2008/02/22 00:34
第239球
 オーラが出ていたのかもしれない。気対気なら、両者には大きな差があったような…。応援は互角に盛り上がっていた。点差はくっきりだった。それでも、結果は…。マウンド上とバッターボックス内から漂うムードが、その答えを表していたようだ。 ...続きを見る

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2008/02/14 03:23
第238球
 ちょっと気持ちが悪かった。うまくいきすぎのような気がして…。体がいつもより軽くなってきたような気にもなった。プレーボールの頃はあれほど、重かったのに…。すいすい、投げた。ホームランも2発放ったのだから、気分が乗って当然だろう。でも、何かが…。 ...続きを見る

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2008/02/08 03:35
第237球
 苦しかった。両親のつらそうな顔を見るのが嫌だった。どうして、もっと明るくなれないのか、って思った。でも、やがて、その思いさえも懐かしく思えるようになったのだから、幸せだ。あの頃があったから、今がある。それが大きな支えになっていた。 ...続きを見る

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2008/02/01 03:09
第236球
 「どうして甲子園にいかへんのか」。会う人、会う人にそう聞かれた。「見に行きたいけど、自分には今、やらなければいけないこともあるから…」とそのたびに答えた。「息子もわかってくれています。球場に行かなくても、俺たちがアイツの一番の応援団だから」とも付け加えた。 ...続きを見る

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2008/01/25 01:49
第235球
 実にすがすがしい顔をしていた。やられたときは素直にそう思うようにしている。そう思うようになってから、強くなった気がした。引きずらずに次のステージに進むこともできた。失敗をバネにまた成長するんだ、って感じで…。 ...続きを見る

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2008/01/19 02:43
第234球
 自分の姿が頭の中に描かれていた。スローモーションで事細かくイメージされていた。後はそこに、自らを当てはめるだけだった。はまれば勝ち。裏目に出たら負けだった。正直、それしか道がないような気がしていた。これもカケ、だった…。 ...続きを見る

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2008/01/12 01:07
第233球
 足場を軽くならした後、マウンドを正視した。「ヨシっ」と軽くつぶやく相手の顔が見えた。と同時に、もう構えに入っていた。あくまで自分のペースで戦いたい。先にファイティングポーズを取った。来た。初めて見る軌道だ。グググッ…。力が入った。 ...続きを見る

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2008/01/06 00:27
第232球
 海斗マニア団長の香村瞳はバッグから赤い鉢巻を取り出した。額のところにちょうど「海斗」の2文字が刺繍されてある。守野台(兵庫)の1年生投手・飛浦海斗の甲子園Vを祈って、昨晩徹夜で準備した。ここぞの時に応援の気持ちを引き締めるために…。 ...続きを見る

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2007/12/29 23:05
第231球
 また両手を交差させた。「ヨシっ」。また小さくつぶやいた。今度はさっきよりも指に力を込めてみた。「やっぱり最初から、基本通りだったかな」と思いながら…。KOSMOS放送の塁沢アナも気がついた。ネット裏のプロ野球関係者もここで初めて気がついた。 ...続きを見る

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2007/12/22 04:07
第230球
 土煙があがった。またまた海斗マニアたちの悲鳴が響き渡る。瑞泉(西東京)風喜監督が大きな声をあげる。守野台(兵庫)の正捕手・石陪がひきつった顔で動いた。一塁走者の坂芽はもちろん、二塁に向かっていた。球速は87キロだった。 ...続きを見る

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2007/12/14 20:22
第229球
 球速はジャスト90キロだった。スタンドの海斗マニアたちが悲鳴のような声で騒いでいた。観衆はほんの少しだけ、ザワっとなった。ネット裏最上段のアンドロメダの面々もあっけにとられた感じだった。守野台(兵庫)紀中監督も目を丸くしていた。 ...続きを見る

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2007/12/08 15:26
第228球
 素晴らしい音がした。「ナイスボール!」。自然とそんな声が出た。とても病み上がりには見えなかった。それどころか、休み肩もあってか、以前より、すごくなっているようにも見えた。ベンチで見ていた守野台(兵庫)・紀中監督も正直、驚いていた。 ...続きを見る

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2007/11/30 14:56
第227球
 守野台(兵庫)の1年生右腕・飛浦海斗は立ち上がりから苦しい投球だった。やはり疲れがあるのか、球のキレは今ひとつだったし、何より球速があまりにも…。紀中監督は背番号1を早くもブルペンに走らせた。ネット裏のスカウト陣がそれを見てどよめいた。 ...続きを見る

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2007/11/25 02:49
第226球
 西東京代表・瑞泉GSコンビの「S」こと早瀬将吾の父・達将は目に涙を浮かべていた。娘の瑠未が大はしゃぎしているなかで、むしろシンミリしていた。感涙…。うれしくてたまらなかった。自分の夢を息子が代わりに果たしてくれた。そう思ったら、もう…だった。 ...続きを見る

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2007/11/17 19:59
第225球
 決勝戦のKOSMOS放送実況は絶叫の塁沢高次アナ、そして解説は元クールセブン監督の梁池篤和氏、3回戦の真極学園(東東京)対にしき水惣(愛知)戦以来の「コンビ」だ。放送前は「あの試合はすごかったですねぇ」なんて言っていた2人。それがいきなり声を裏返らせた。 ...続きを見る

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2007/11/10 03:45
第224球
 やはり特別な場所だった。そこにいるだけで、こみ上げるものがあった。力もわいてきた。投げたい、と切に思った。気がつけば、肩を、腕をくるくる回していた。気迫はよみがえっていた。ブランクは関係ない! いける! と思った。グラブをパーンとたたいた。 ...続きを見る

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2007/11/03 04:02
第223球
 両校のスタメン発表が始まった頃、雨がポツリ、ポツリと降ってきた。だが予報によると、大きな雨は一度ありそうだが、長引かないとのこと。もちろん、この程度で中止にできるはずもない。先行は西東京代表・瑞泉。そして後攻の兵庫代表・守野台のマウンドには…。 ...続きを見る

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2007/10/26 23:15
第222球
 その日の朝は慌しかった。家には自分以外、誰もいない。軽い朝食の準備をして、食べて、片付けて、洗って、身支度して…。「あっ、今日は鞄はいらないな」とひとりでつぶやいて、ちょっと笑みを浮かべて、戸締りと火の元を何度も確認して、家を出た。東京駅に向かって…。 ...続きを見る

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2007/10/20 23:34
第221球
 アンドロメダリーダーの大田原健太郎は東京グレート総務課長の村澤三四郎に電話を入れた。元愛知ソニックのトレーナー・欅重次郎のことで聞きたいことがあった。「村澤さんなら、欅さんと彼の話をよく知っているでしょうから…」。どうしても気になっていた…。 ...続きを見る

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2007/10/14 03:23
第220球
 マスコミが遠巻きで見ていた。こそこそ、ひそひそ話も聞こえてきた。でも、もう気にしなくてよかった。普通に戻った。「やっと、いつものように話せますね」と笑った。こう返ってきた。「オレは最初っから、あまり気にしていなかったけど、まぁ、アイツらのことを考えればな」と…。 ...続きを見る

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2007/10/07 00:37
第219球
 涙があふれた。様々な思いが駆け巡った。スタンドの応援、拍手が身にしみ、また泣いた。マジックがついに…。申し訳ない気持ちでいっぱいだった。「どうして?」。「なぜ?」。何度そう思ったことだろう。マンモスで、もう泣くしかなかった。 ...続きを見る

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2007/09/24 01:31
第218球
 守野台(兵庫)アルプス席に大きな拍手が沸き起こった。1年生野球部員・威邑甲斐都も拍手していた。マネジャーの埜口からは「かいとA」と呼ばれている男も心の底から喜んだ。「来年は絶対、あの場にオレもいる!」と強く誓いながら…。 ...続きを見る

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2007/09/16 23:03
第217球
 守野台(兵庫)ベンチ裏で背番号10・飛浦海斗は右肩を押さえていた。痛くはない。でも重かった。マネジャーの埜口が「かいとB!無理はするなよ」と声をかけた。そして、そこに「そうだ! もう無理はするな。次の回からはオレが行く!」との声が…。 ...続きを見る

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2007/09/15 04:35
第216球
 あっけにとられていた。バッターもキャッチャーもアンパイアも、守野台(兵庫)ナインも、スペクトル学園(神奈川)ナインも、スタンドの観衆も…。マウンドの高維充は帽子をとった。いかにも「失敗したぁ」って顔だった。第1球は打者の背中に当たっていた。しかも仰天の…。 ...続きを見る

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2007/09/08 01:16
第215球
 マウンドで右腕をぐるぐる回した。「スペクトル学園の選手の交代をお知らせします。ピッチャーの浦鍋君がライト。ライトの高維君がピッチャー。5番ピッチャー、高維君。9番、ライト浦鍋君。以上に代わります」。場内アナウンスが響き渡り、胸が高鳴った…。 ...続きを見る

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2007/09/03 00:00
第214球
 マンモスの守野台(兵庫)アルプスに、彼はいた。ベンチ入りできなかった1年生野球部員。同級生の"出世頭#浦海斗をうらやましく思いつつも、懸命に声を出していた。中学では県内でも名の知れた投手だった。そして彼こそがこのチームの「流れ」をかえていた…。 ...続きを見る

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2007/08/26 12:15
第213球
 ベンチ裏の大鏡の前でスパイクの紐を締め直した。5回から、そこに座っていた。ベンチにはあえて出なかった。やはりまだ無理だったか…。歯がゆかった…。肩で息する後輩の姿はそこからは見えない。でも、感じていた。何とかできないか。思い直したように立ち上がった。 ...続きを見る

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2007/08/16 03:42
第212球
 「ヨッシャーァー!」「ナイスファイト!」「ここから! ここからぁ!」「いける! いけるぅ!」…。テレビの前で大声を張り上げていた。たまたま家に遊びに来ていた、いとこの双子の小学生もつられるように、ワーワー騒いでいた。マンモスに負けないくらい、そこはうるさかった。 ...続きを見る

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2007/08/09 04:44
第211球
 終わって汗が一気に噴き出した。よく覚えていない。あの時、オレはどうしたのか。どうしようとしたのか。何が起きたのか…。後になって泣いたが、この時のことはどうしても思い出せなかった。あの瞬間だけ、記憶が…。こんなこと、初めてだったという。 ...続きを見る

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2007/08/02 03:58
第210球
 マウンドで飛浦海斗(守野台=兵庫代表)は思わず天を仰いだ。打球がレフトスタンドに吸い込まれていく。と同時に「海斗マニア」の女性たちの声が…。気力だけで投げていた。声援などに支えられて投げてきた。だが、もはや限界だったのか…。 ...続きを見る

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2007/07/26 04:15
第209球
 取ったら取り返す。この繰り返しだった。気持ちと気持ちのぶつかり合い。双方ともに負ける気はなかった。当たり前だが、勝つ気だった。ただし応援だけは、がっぷり四つではなかった。地元・兵庫。加えてスター投手。マンモスはそちら寄りに揺れていたようだった。 ...続きを見る

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2007/07/18 04:41
第208球
 ここまでの打席は全部、三振だった。まったくかすりもしない無残な…。相手投手の球は130キロ台前半のストレートが中心だ。それにスライダー。それに対応できていなかった。でもチームメートは期待してくれた。「頼むぞ!」と言ってくれた。 ...続きを見る

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2007/07/11 03:52
第207球
 試合は4−4の同点で7回に突入していた。両チームともに、流れをつかみそうでつかめない。どっちともツイているようにも思えたし、どちらともツイていないようにも見えた。激戦だったとはいえる。勝利の女神はどちらに微笑むのか。ここからが勝負だった。 ...続きを見る

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2007/07/07 03:22
第206球
 "巨人≠ヘマンモスでもひと際、目立っていた。プレーは地味だったが、十分インパクトはあった。話題にもなった。そして、このチームはこの男なくしては勝ち進めなかったのも事実だった。頭脳派、データ派…ということは、あまり知られていなかったが…。 ...続きを見る

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2007/06/30 00:27
第205球
 「できる限り、何とかやってみます」。18歳になったばかりの高校球児は深々と頭を下げた。兵庫県内の某病院。お世話になった看護婦からも「応援するからね」と激励された。ときめいた。力がわいた。「ようやく…」。腕を軽く回した。 ...続きを見る

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2007/06/23 02:36
第204球
 男だからな、と思っていた。しょうがないよな、と思ったことも正直あった。いろいろ考えた。でも、最後に行き着く答えはいつも同じだった。何となく、これが当たりじゃないか、と思った。想像して笑った。それだけに…。ちょっと顔が赤くなった。 ...続きを見る

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2007/06/16 01:37
第203球
 空がまぶしかった。雲ひとつない。「きれいなものだな」と思った。室内にいるから暑くない。でも、きっと、あそこは…。「空の色を気にしたことってなかったなぁ」とぼんやり考えた。「こういうことって、こういう時にしか考えないんだよな、きっと…」。外が懐かしくも感じた。 ...続きを見る

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2007/06/08 02:05
第202球
 一歩前に出ることさえできなかった。思うように動けなかった。どうしてもためらった。拍手と涙。その空気を邪魔できないと思った。そういう形で入り込んではいけないと思った。プロではない、かもしれない。それでもいいと思った。自分で判断したことだから…。 ...続きを見る

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2007/06/01 04:16
第201球
 灼熱地獄の後も、やはり暑かった。汗びっしょりになった。ひと言、ひと言が重かった。タオルを首からぶらさげた人たちに囲まれて言葉を選んだ。正直な気持ちが言えなかった。笑みはこぼした。でも、あまり、うれしくはなかった。 ...続きを見る

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2007/05/26 03:38
第200球
 マンモスの委員通路はごった返していた。首都タイムズ・アマチュア担当記者の樹鞍諒一も、その中にいた。9回表突入と同時に試合後取材のため、駆け足でスタンドから降りていた。通路内のモニター。「いったいどうしたんだ?」。リプレーに見入った。 ...続きを見る

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2007/05/19 00:38
第199球
 クルリと背を向けた。サングラスを一瞬だけ外し、手で額の汗を拭った。手帳は内ポケットにしまいこんだ。階段を降りた。多くの野球ファンも続いた。「これで…」「これで本当に良かったのだろうか」。マンモスがやけに大きく感じたという。 ...続きを見る

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2007/05/13 00:25
第198球
 アンドロメダリーダーの大田原健太郎は、にしき水惣(愛知)のエース・結城亮のピッチングを見ているうちに、こう思わずにはいられなかった。「結城と彼とどっちが上だっただろうか。彼なら、結城の投球にどう立ち向かっただろうか」。想像していた…。 ...続きを見る

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2007/05/10 03:34
第197球
 総立ちの真極学園(東東京)ベンチで、古城直人と高杉賢明がさらに身を乗り出していた。「もう一度…」「もう1回…」。ともにそう念じていた。「鷹! 頼む!」「神! 落ち着いていけ!」…。ネバーギブアップ。まだまだ奇跡を信じていた。 ...続きを見る

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2007/05/03 14:56
第196球
 目が鋭かった。目が特徴的だった。目がウリだった…。首都タイムズのアマチュア担当記者・樹鞍諒一には見覚えのある顔だった。その時より雰囲気は変わっていたが…。事前に「ベンチ入りしたんだなぁ」と思っていたが、念のためメンバー表を再確認した。 ...続きを見る

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2007/05/01 01:36
第195球
 スーパーエース・結城亮(にしき水惣=愛知)の球はまたしても、とんでもないボールだった。マンモスがドッと沸いた。KOSMOS放送の絶叫アナ・塁沢高次のツバが飛んだ。真極学園(東東京)・大伴監督は身を乗り出した。古城直人も高杉賢明も荒堀浩二も…。 ...続きを見る

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2007/04/28 01:29
第194球
 「なぜだ?」「どうして?」。毛利拓馬(真極学園=東東京)は相手の心理がまったく理解できなかった。「足を警戒しているのなら、塁に出すのは嫌だろう。だから違う。もしかしたら、ただ遊ばれているだけなのか」…。マウンドをにらみつけた。 ...続きを見る

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2007/04/25 03:30
第193球
 ここぞという時に力が入った。ストレートの球速さえも自由自在に見えた。それも140キロ台、150キロ台、そして驚異の160キロ台といったレベルで…。今大会で、いや、この試合で、間違いなく進化した。それこそ怖いくらいに…。 ...続きを見る

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2007/04/22 00:25
第192球
 ケロっとしていた。堂々としていた。落ち着いていた。ロージンを手に、いつものように軽くポンポンポン…。喜怒哀楽がないわけではない。悔しそうな顔もすれば、笑顔ものぞかせる。なのに、なぜか機械にも見えるような…。それほど精密すぎた。 ...続きを見る

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2007/04/20 14:48
第191球
 声が枯れるまで応援は続いた。勝者と敗者。その熱に変わりはない。このまま勝ってくれ、と祈った。何とか逆転してくれ、と願った。勝っても涙、負けても涙…。真極学園(東東京)、にしき水惣(愛知)両軍サイドのボルテージが一段と上がっていった。 ...続きを見る

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2007/04/17 02:20
第190球
 名古屋・にしき水惣の校門前に一人の男が立っていた。誰に気づかれることなく、軽く一礼すると、駅の方へ歩を進めた。ふと時計を見た。「そろそろ真極学園(東東京)との試合が終わる頃か…」。地下鉄の切符売り場に急いだ。 ...続きを見る

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2007/04/15 23:58
第189球
 その時、多摩田千夏は名古屋の自宅で手を合わせていた。テレビはついている。だがラジオのように音だけ聞いた。時折、マンモスから双子の娘・恵奈と清奈から交互に電話が入った。にしき水惣(愛知)スーパーエース・結城亮の実母はひたすら祈った…。 ...続きを見る

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2007/04/14 03:04
第188球
 にしき水惣(愛知)セカンドの明智吾郎はグラウンドでこんなことを考えていた。「ええっと、白、白…」「ええい、こうなったら真極学園(東東京)のユニホームが白だから、それでいいや」「次に5、5、5…」「うーん、今、打席の高杉の背番号5にしとくかぁ」「で、コーヒー…」…。 ...続きを見る

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2007/04/07 14:50
第187球
 にしき水惣(愛知)アルプス席の外野寄りの一部が騒々しくなった。10人くらいの女の子たちがドーっと現れてキャーキャー言っている。水惣応援団がちょっとムッとした感じでうかがう。次の試合の選手が室内練習場とグラウンドを結ぶ通路で戦況を見つめていた。 ...続きを見る

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2007/03/31 03:15
第186球
 真極学園(東東京)には後にクセ盗みの達人≠ニ呼ばれるようになる男がいた。彼はこの甲子園大会からベンチ入りメンバーに抜擢された。大伴監督もその才能に気づいていたのかもしれない。4番・古城直人と5番・高杉賢明はそんな同級生の力を借りていた。 ...続きを見る

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2007/03/23 02:56
第185球
 マンモスの空を急に雲が覆い始めた。グラウンドの灼熱地獄に変わりはない。ただ、ちょっと薄暗くなったか。何となく不気味なムードが…。そして白熱の真極学園(東東京)対にしき水惣(愛知)の試合の流れが変わろうとしていた…。 ...続きを見る

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2007/03/17 17:08
第184球
 開いた手帳に印がつけてあった。「古城直人・豪州」との文字の左側に赤い星印が…。パタッと閉じた。一瞬だが目も閉じたように見えた。それから見つめた。打球が近づいてきた。右翼スタンドのサングラスとマスク男≠ヘ背筋を伸ばして、それを凝視した…。 ...続きを見る

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2007/03/14 02:46
第183球
 終盤の大きな山場がやってきた。白熱の投手戦となった甲子園大会3回戦・真極学園(東東京)対にしき水惣(愛知)。マンモスに詰めかけた観衆が沸く。KOSMOS放送の塁沢高次アナは息を飲んだ。ついに0−0の均衡が破られようとしていた。 ...続きを見る

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2007/03/07 02:45
第182球
 「あっ!」。首都タイムズのアマチュア担当記者の樹鞍諒一はそう声を上げて、ちょっと照れた。試合に夢中になりすぎると、そんなことがよくある。中立、冷静を心がけているだけに、そのたびに恥ずかしく思う。でも、きっといるハズだった。同じような反応をした人が…。 ...続きを見る

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2007/02/28 02:17
第181球
 騒がれることを覚悟してやってきた。真極学園(東東京)アルプス席で東京・燦春高校3年の雲海学太郎は真剣な表情だった。中途半端なままで終わりたくなかったという。さわやかに終わりたかったという。結果はともかく…。 ...続きを見る

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2007/02/21 02:28
第180球
 東京・燦春高校3年の雲海学太郎は、あの晩のことを決して忘れないという。燃えて、勇んで、飛び込んだ俳優・村雨修二郎(本名・毛利忠興)の家での出来事を…。いきり立っていた。ケンカ腰だった。声も自然と大きくなった。深夜の高級住宅街で決死の覚悟だった。 ...続きを見る

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2007/02/14 02:38
第179球
 当初、俳優・村雨修二郎は沈黙を守った。周囲からどんな陰口を言われようと、一切、口を開こうとしなかった。17歳の女優・水居ひとみは来春のハリウッド進出のため、米国に滞在中。今回の騒動について所属事務所が徹底的にガードした…。 ...続きを見る

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2007/02/06 02:28
第178球
 155キロの剛速球を真極学園(東東京)の2番打者・関守が豪快に空振りすると、にしき水惣(愛知)の強肩捕手は何と座ったまま、二塁へ送球した。それも、今まで以上に勢いあるボールで…。遊撃手がこれまた絶妙のタイミングで二塁に入る。プレーにスキがなかった。 ...続きを見る

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2007/01/29 02:38
第177球
 今度こそ、の思いだった。次は必ず、と強く誓った。真極学園(東東京)のトップバッターの毛利拓馬は、マウンドのにしき水惣(愛知)エースの結城亮の顔をチラっと見たあと、捕手・大和竜照に目をやった。道を切り開くために…。 ...続きを見る

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2007/01/26 23:04
第176球
 それは東東京代表・真極学園アルプス席で、ある有名な紳士が、高校生の若者に頭を下げたシーンだった。それを見守りながら、首都タイムズの芸能担当記者・耐輪文和は直撃の準備に入っていた。数週間前の出来事を思い出しながら…。 ...続きを見る

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2007/01/21 16:57
第175球
 マンモスのライトスタンド。帽子を深めにかぶり、大きなサングラスに、大きなマスク。いかにも変装しています、って感じの男が真極学園(東東京)対にしき水惣(愛知)の熱戦を見守っていた。「予定通りだな」。男は手帳を取り出し、何事か確認しながら、つぶやいた…。 ...続きを見る

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2007/01/15 03:55
第174球
 「甲子園はどうなっている?」「何回までいった?」「今、何対何?」…。神奈川マジックの練習中、高杉明太郎は関係者とすれ違うたびに聞いていた。親子ほども年の離れた実弟・賢明のことが気になってしかたなかった。真極学園(東東京)対にしき水惣(愛知)の試合が…。 ...続きを見る

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2007/01/09 02:07
第173球
 またまた場内がざわついた。この試合、何度目だろうか…。1球ごとに、まさに矢継ぎ早に…。同じ空気、同じニオイ、ほとばしる熱気が…。甲子園大会3回戦・真極学園(東東京)対にしき水惣(愛知)はさらに熱くなっていった…。 ...続きを見る

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2007/01/05 02:36
第172球
 センター・飛騨隆久(にしき水惣=愛知)が屈伸運動を始めていた。スタンドのファンもそこに注目しているようにも見える。そんな空気を察知したのだろう。KOSMOS放送の塁沢高次アナは「さぁ、またミラクルかぁ!」と思わず口走っていた。 ...続きを見る

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2006/12/31 04:42
第171球
 スーパーエース・結城亮(にしき水惣=愛知)のピッチングは一段と凄みを増していた。150キロ台前半のストレートが、さらに速くなっていく。「まさか、160キロを出すんじゃないだろうな」。マンモスのスピードガンに観衆の視線は集まっていった。 ...続きを見る

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2006/12/25 04:31
第170球
 高校野球の中では間違いなくハイレベルな対決だった。ピッチャー対バッターの力と力のぶつかり合いもいいが、こんな激突も見ごたえがある。わずかなスキも命取りになる。それこそ一瞬の勝負といってもいいだろう。2人の洗練された動きにマンモスは釘付けとなった…。 ...続きを見る

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2006/12/21 00:06
第169球
 ハンパな俊足ではなかった。予選以来の盗塁成功率は何と100%を誇っている。しかし、そんな武器も塁に出ることができなければ宝の持ち腐れだ。精密機械≠ヘそんな難敵と戦っていた。ミスターK氏のデータと懸命に照らし合わせながら…。 ...続きを見る

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2006/12/17 17:14
第168球
 真極学園(東東京)大伴監督はナインを集めた。にしき水惣(愛知)のスーパーエース・結城の調子が上向きだしている。「何でもいいから、早く流れをつかまないと…」。狙い球を徹底した。長打を狙わずにミートで剛速球に対抗させようとした、という。 ...続きを見る

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2006/12/12 12:56
第167球
 大げさだろうか。その瞬間、地鳴りがしたような気がした。「ホーっ」。ネット裏最上段の首都タイムズアマチュア担当記者の樹鞍諒一はちょっと年寄りじみたリアクションを見せた。にしき水惣(愛知)アルプス席の村澤三四郎(東京グレート総務課長)もうなっていた…。 ...続きを見る

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2006/12/08 03:25
第166球
 子供の頃は力士になりたかった。それが、いつしかプロ野球選手に変わった。太い腕がたくましい。打席に入る前の素振りも豪快だ。「八重さんにも見せてあげたかったな…」。にしき水惣(愛知)アルプス席で村澤三四郎(東京グレート総務課長)は,つぶやいていた。 ...続きを見る

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2006/12/04 00:27
第165球
 マンモスはまだどよめいていた。賞賛の拍手を送った後もざわついていた。にしき水惣(愛知)アルプス席にいた村澤三四郎(東京グレート総務課長)も同じだった。ネット裏最上段に陣取るアンドロメダの面々もそう。非現実の世界に紛れ込んだ気分だった。 ...続きを見る

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2006/11/28 03:05
第164球
 マウンドのにしき水惣(愛知)エース・結城亮は捕手・大和竜照のサインにうなずいた。迷いはない。陰の参謀・ミスターKのデータ通りだ。真ん中低め。ただしボールひとつく分ほどストライクゾーンから外す。まさに精密機械のように結城は実行した。 ...続きを見る

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2006/11/23 12:51
第163球
 神奈川マジックの本拠地マジックスタジアムで高杉明太郎はテレビにかじりついていた。もうすぐ試合前の練習が始まるというのに、なかなか選手サロンから離れようとしなかった。画面には弟・賢明が大写しになっている。まるで自分の打席のように力が入っていた…。 ...続きを見る

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2006/11/18 13:49
第162球
 マンモスのスタンドが一瞬だけ静まったような気がする。それからワンテンポずれて、どよめいたような…。神がかり、奇跡といってもいいだろう。おそらく誰もがちょっと目を疑ったハズだ。そして現実と確認するや歓声に…。まさしくスーパープレーだった…。 ...続きを見る

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2006/11/13 03:19
第161球
 ちょっとニヤけてしまった。いや、本当は満面に笑みを浮かべたい気分だった。それが、この男の習性だった。立ちはだかるものが大きければ、大きいほどファイトがわく。東東京代表・真極学園の4番打者・古城直人はマンモスの大観衆の前で喜びをかみ締めていた…。 ...続きを見る

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2006/11/06 03:05
第160球
 愛知代表・にしき水惣のエース・結城亮の球は重い。しなやかなフォームからズドンと来る。しかも150キロ台がズバズバ来る。相手のバットをへし折るシーンが何て多いことか…。まだ高校1年生でコレだ。まさに怪物だった…。 ...続きを見る

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2006/11/02 03:20
第159球
 首都タイムズのアマチュア担当記者の樹鞍諒一は取材メモを無造作に取り出した。東東京代表・真極学園の2年生四天王との出会いを振り返るために…。とにかく彼らには驚かされっぱなしだった。そして甲子園でもまた彼らの成長を感じとっていた…。 ...続きを見る

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2006/10/28 22:07
第158球
 とにかく無表情だった。喜怒哀楽をどこか置いてきたのでは、と思えるほどの鉄仮面だった。何とも不気味だ。もっとも、それも訓練だったという。東東京代表・真極学園のエース・荒堀浩二は敢えてそうしていた。感情の起伏をコントロールしているうちにそうなっていた…。 ...続きを見る

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2006/10/24 02:55
第157球
 マウンドで東東京代表・真極学園の2年生エースの荒堀浩二が右腕を軽く回していた。140キロのストレートと、それと、ほぼ同じスピードのフォークボールのコンビネーションは絶妙だ。これに予選途中から使い始めた高速スライダーを織り交ぜて、大きく飛躍した…。 ...続きを見る

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2006/10/21 01:21
第156球
 ラッキーカラーはホワイトだった。幸運を呼ぶ数字は「5」。コーヒーゼリーを食べるといいことがある、となっていた。ちなみに今日の予告は「○○○…」。それを言った途端、にしき水惣ナインは「そりゃあ頼もしいなぁ。ぜひ頼むぜぃ!」とそいつと同じ口調で盛り上がったという。 ...続きを見る

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2006/10/16 02:12
第155球
 「3回戦注目のカードがまもなく始まろうとしています。愛知県代表の全員1年生チーム・にしき水惣が東東京代表の強豪・真極学園に挑みます。今日はどんなドラマが、このマンモスで起きるのかぁ!」。KOSMOS放送の名物絶叫アナの塁沢高次がほえまくった…。 ...続きを見る

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2006/10/10 13:43
第154球
 そこには秘密があった。そこまで大げさにいってはどうかと思うが、まぁ、秘密は秘密だった。中学時代、強肩、強打の捕手として関西でちょっとは知られていた大和竜照は、そこでのわずかな期間で間違いなく進化した。1年生で高校bP捕手とまで言われだした…。 ...続きを見る

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2006/10/05 03:40
第153球
 脅威のチームだ。予選を通じて、そのフレッシュな強さを見せつけてきた。マンモスでも台風の目になっている。それこそV候補と見るムキさえも…。そんな全員が1年生の愛知・にしき水惣の次の相手は東東京代表の真極学園。3回戦屈指の好カードになった…。 ...続きを見る

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2006/09/29 03:19
第152球
 手を合わせた。目を閉じて、こうつぶやいた。「久しぶりですね。おかげさまで、何とかやっています。今年は熱い夏になっていますよ。そして、楽しみな夏に…。どうか見守ってください…」。東京グレート総務課長の村澤三四郎だった。 ...続きを見る

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2006/09/25 03:13
第151球
 声が震えそうになるたびに、ひと呼吸入れた。轟大学園監督・大門昭二は目にごみが入ったふりして何度もふいた。1年生左腕・俵星光が「僕のせいですか!」と思わず、声をあげると、無言で首を振った。ナインに動揺が走った…。 ...続きを見る

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2006/09/21 04:24
第150球
 轟大学園監督・大門昭二はナインの前で深々と頭を下げた。「ありがとうな」と「すまなかったな」を何度も繰り返しながら…。目の前の鉄板で次から次へと、広島風お好み焼きができあがっていくなかで、その口調はいつになくシンミリしたものだった…。 ...続きを見る

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2006/09/19 01:05
第149球
 轟大学園の1年生左腕・俵星光のストレートは145キロを計測した。もう限界は超えていたハズだ。それを気力がカバーした。これぞ火事場のバカ力か、といっては失礼か。うなる剛速球はきっちり捕手・俣神の構えた外角低めに向かう。炎の投球だった…。 ...続きを見る

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2006/09/16 16:03
第148球
 7回裏の27球勝負≠ニは違った形にも轟大学園・俵星光は口元を引き締めていた。気を緩めるところはない。スタンドの大歓声をバックに1球、2球、3球。投げても投げても、その表情に変化もない。打席の瑞泉・早瀬将吾もまた、緊張感をキープしていた…。 ...続きを見る

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2006/09/11 01:28
第147球
 瑞泉GSコンビのG≠アと、剣源氏が放った打球は上空高く舞い上がった。一塁へ駆け出した剣が「入れ! 入れ!」と念じる。マウンドの轟大学園・俵星光は打球を目で追いかける。入れば同点の場面でマンモスが沸きかえった…。 ...続きを見る

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2006/09/08 15:57
第146球
拳に力を込めた。大きく振りかぶった。轟大学園の俵星光は「これでどうだぁ!このヤロー!」と心の中で雄叫びをあげながら、投げ込んだ。「うっ!」。打席の瑞泉・早瀬将吾もその気迫に思わず圧倒された。 これまで以上のストレートが内角を襲った…。 ...続きを見る

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2006/09/04 16:18
第145球
 純粋な輝きがスタンドを魅了した。ついこの間まで中学生だった2人が、まだ15歳の2人が大観衆を興奮させている。2人の一挙手一投足がマンモスに微妙な空気を作り出している。きれいではないかもしれない。しかし汚さは少しも感じさせなかった…。 ...続きを見る

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2006/08/31 15:43
第144球
 甲子園球場、バックネット裏最上段にアンドロメダチームは陣取った。記者席のさらに上方だ。調査員たちは資料と照らし合わせながら、球児たちをチェックした。プロ野球界の未来を担う逸材を求めて…。7日目第1試合、轟大学園対瑞泉には皆が身をのり出して見た…。 ...続きを見る

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2006/08/28 02:55
第143球
 がっぷり四つだった。激しい攻防にマンモスが揺れた。年齢、学年は関係ない。話題の男・大門がベンチで悠然たる表情を浮かべる。瑞泉のGSコンビのプレーが大観衆をひきつける。そして轟大学園の1年生左腕が…。見ごたえ十分の対決だった…。 ...続きを見る

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2006/08/23 23:34
第142球
 マンモスではアツい戦いが連日、繰り広げられた。勝ってうれしい笑顔あり、うれしい涙あり…。負けてさわやかな笑顔あり、悔しい涙あり…。どの試合にもドラマが必ずあった。アンドロメダ調査員たちも、自然と引き付けられていった。 ...続きを見る

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2006/08/19 14:18
第141球
 出番は大会第7日の第1試合に決まった。その瞬間、ナインが歓声をあげるなか、その男は黙って目を閉じた。わずか半年足らずでここまで駆け上がってきた。その日々が自然と思い起こされた。希望、絶望、転機…。おそらく超、超大ラッキーだろうな、と考えながら…。 ...続きを見る

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2006/08/14 17:04
第140球
 夢破れても、また新たな夢見て邁進する。その男は1年前には想像もしていなかった世界で短期間のうちに大躍進を遂げていた。まさに、うまくいきすぎて、気持ちが悪いほど…。アンドロメダ的夏…。その男は再び、スポットライトを浴びていた…。 ...続きを見る

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2006/08/09 15:46
第139球
 「九州のジェームスディーン」は思いっきり泣いた。泣かせて欲しい、とも思った。泣かずにいられるか、とも考えた。涙が滝のようにあふれ、こぼれた。大きな声をあげた。「悔しいんです」と叫んだ。絶えず注目を集めてきた18歳が少年に戻り、そして、また大人になった…。 ...続きを見る

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2006/08/07 16:30
第138球
 いったい何が起きたのだろう。どうなったのだろう。その瞬間、マウンド上の桜福坂エース・速水拳(3年)は自問自答するような感じだったという。長崎大会決勝、和場工戦。111球目。気合いを込めて投じたジェイのストレートが…。 ...続きを見る

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2006/08/02 16:17
第137球
 成長度は120%だった。持って生まれた野球センスに、逞しさ、力強さ、精悍さ…。とにかく昨年とは見違えるほどの存在感を示していた。もはや、ただのアイドル選手≠ナはない。将来有望な野球選手になっていた…。 ...続きを見る

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2006/07/28 16:02
第136球
 直感だった。見てはいけないものを見てしまったような…。同時にどうしようもない不安を感じた。自分に自信が持てないというか…。このままではいけない、と思った。何かを変えないといけないのではないか、と思った。そんな感情を止められなくなっていった…。 ...続きを見る

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2006/07/26 16:20
第135球
 今でも時々思い出す。あれから、どうしているのか、と…。幸せになってくれただろうか、と…。大祐は大きくなっただろうな。もう中学生くらいかな…。でも後悔はしていない。これは運命だったんだ、必然だったんだ、と…。 ...続きを見る

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2006/07/22 16:00
第134球
 衝撃だった。ドーンと来た。一瞬、何が何やらわからなかった。こんなこと、予想できるわけがない。思わず身構えた。とっさに大祐を守ろうとした。大阪の夜…。心斎橋の夜…。御堂筋の夜…。運命がまた交錯していた…。 ...続きを見る

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2006/07/20 00:02
第133球
 宝物だった。かけがえのない…。大阪ロックスター投手の神威小次郎(現アンドロメダ調査員)は、事も無げにそれを受け止めた。努めて前向きに…。もちろん、気にならないといえばウソにはなる。でもすぐに割り切った…ハズだった…。 ...続きを見る

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2006/07/12 18:00
第132球
 入れ替わり、たちかわりだった。何度も何度も確認した。最低でも10回…。それくらい念入りなアクションだった。人の運命を握る、というのはそれほどの重い責任ということだろう。そこにはアンドロメダ調査員の神威小次郎(元大阪ロックスター投手)の気持ちがこもっていた…。 ...続きを見る

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2006/07/03 21:39
第131球
 そこには大阪ロックスター二塁手の鬼崎平三(現アンドロメダ特別講師)が確かに待ち構えていた。ややいつもよりも緊張気味に…。珍しくスーツを着込んでいる。いつものオッサン顔(といってもまだ20代前半だが…)とも何かが違っていた。動きも妙にぎこちなかった…。 ...続きを見る

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2006/06/28 18:49
第130球
 すべてをさらけ出してくれた。真剣に向き合ってくれた。うーん、いい感じ…。うーん、幸せ…。頬が緩む。頬が赤く染まる…。それがまさかMAXだったとは…。束の間だったとは…。もちろん、この時に気づくハズもなかったが…。 ...続きを見る

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2006/06/22 22:34
第129球
 あの日、空は青々としていた。日差しがきつかった。暑かった…。楽しい時間だった。達成感があった。何かしら、のんびりできた。久しぶりの休息といっても大げさではないだろう。未来も拓けていた。そのハズだったのに…。 ...続きを見る

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2006/06/21 02:09
第128球
 遊びは豪快だった。酒はほとんど飲んでいないのに、そんじょそこらの酔っ払いには負けないハイテンションだった。機嫌を損ねたらサイテーな空気が漂うものの、何か楽しい気分に浸れた。リラックスできた。気分転換になった、という…。 ...続きを見る

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2006/06/15 04:58
第127球
 鬼はやはり鬼だった。ほとばしる熱い血はやはり隠しようがなかった。その力はまだまだ衰えてもいなかった。それどころか、まだまだやれそうだった。いや、間違いなくやれた。燃えた。燃えた。鬼は昔のように燃えていた…。 ...続きを見る

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2006/06/12 04:33
第126球
 怒りのボールが鬼に向かっていった。魂をこめた球が打者の内角をえぐる。球速もそれなりにあったのではないだろうか。鬼の顔がさらに鬼のようになる。「あっ!」…。その瞬間、大阪・ロックスターナインは思わず声をあげた…。 ...続きを見る

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2006/06/06 17:05
第125球
 殴りかからんばかりにマウンドをにらみつけた。突き刺さる視線とはこういうことだろうか。まさに鬼だった。ド迫力だった。すさまじかった。正直、怖いくらいだった、という。大阪・ロックスターグラウンドで野球の鬼が火を噴いた。 ...続きを見る

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2006/06/05 20:21
第124球
 男と男の戦いだった。力対力の激突だった。怒号も飛びかった。異様な汗が流れた。ともに顔は真っ赤だった。周囲はそれを無言で見つめた。とても間に割って入るムードではなかったという。その時、そこは間違いなく戦場だった…。 ...続きを見る

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2006/06/01 19:22
第123球
 殴られた。こてんぱんにぶちのめされた。こんな仕打ちを受けたことはない。顔がはれ上がった。翌日は大きなマスクをして仕事に出るハメにもなった。悲しかった。悔しかった。ふざけるなって思った。正直、逃げ出したかった。でも、このままで終わってたまるかとの思いがそれをも勝った…。 ...続きを見る

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2006/05/31 16:53
第122球
 どうしてもかなわなかった。何度向かっていってもはね返された。クッソー! そのたびに燃えた。いつか勝つ! いつかギャフンといわせる! 燃えた、燃えた。それが何よりも活力剤になった。生きがいだった、という…。 ...続きを見る

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2006/05/30 17:59
第121球
 未来を夢見て没頭した。わずか数時間に集中した。新たなチャレンジがうれしかった。なかなかうまくいかなくても、そういう世界に浸れることが楽しかった。進歩が実感できた時はもっとうれしかった。失敗の連続の末だっただけに涙も出た…。 ...続きを見る

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2006/05/29 18:03
第120球
 腰を抜かさんばかりに驚いた。いったい、どうなっているのか…。いったい、いつの間に…。十分すぎるトレーニング器具が揃っていた。マシン打撃ができるようになっていた。ブルペンができていた。ついこの間まで何もなかったはずの場所にそれがあった…。 ...続きを見る

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2006/05/26 17:50
第119球
 ちょっと大げさにいえば、スリリングな脱出劇だった。午後8時30分。黒いワンボックスカーが桜福坂の「自信寮」に滑り込んでいく。「ファントムスポーツ」と記されている車から降りた男は大きなダンボールを抱えて、寮に消える。そして5分後、出て行った…。 ...続きを見る

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2006/05/24 18:17
第118球
 モデル兼高校球児・速水拳(桜福坂3年)のアンドロメダ講習は基本的に午後9時から深夜12時まで行われた。急に決まったので十分な設備はない。それでも、精一杯の教材、講師を調査員・神威小次郎は用意した。そして手に取るように感じたという。その進化を…。 ...続きを見る

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2006/05/22 17:23
第117球
 やる、と決めたら、とことんやらないと気がすまなかった。やる、と決めた時の集中力には自信もあった。中途半端にはできない。脇目もふらずにアンドロメダ調査員の神威小次郎は高校球児であり、モデルの速水拳(桜福坂3年)への援護に全精力を注ぎ込んだ。 ...続きを見る

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2006/05/18 20:31
第116球
 目が訴えていた。世の女性をとりこにする目が…。もしも、このシーンにJファンの女性がでくわしていたら、昇天してしまうのではないか…。それはともかく、その目は真剣だった。邪心がなかった。純粋に感じた。ただ野球で進化したい。それだけだった…。 ...続きを見る

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2006/05/17 16:48
第115球
 アンドロメダ調査員・神威小次郎は「彼」のことを「ジェイ」と呼んだ。アルファベットの「J」…。理由はひとつだった。全国の女性ファンがいつしか「彼」のことをそう呼ぶようになっていたから…。「彼」はちょっと抵抗していたが、それもそのうちあきらめた。 ...続きを見る

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2006/05/16 18:00
第114球
 黄色い声援が乱れ飛んだ。OL、女子大生、女子高生、もしかしたら主婦も中学生もいたかもしれない。平日なのに、学校は、職場は、家庭は、どうしているのだろう。そう思いたくなるほどの追っかけ≠フ数だった。 ...続きを見る

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2006/05/15 19:27
第113球
 それは夏の予選直前に、アンドロメダの大田原健太郎にかかってきた電話がきっかけだった。東京スパーク投手・朝竜興二からの情報。「知り合いから将来が楽しみな投手がいると聞いた。一度、見てはどうでしょうか」というものだった…。 ...続きを見る

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2006/05/11 17:27
第112球
 うだるような暑さが球児たちのドラマにはやけに似合っていた。全国各地でマンモスへの切符をかけた戦いが大詰めを迎えていた。下馬評通りの強豪校、復活の古豪、そしてフレッシュな新興勢力…。夢に向かって、しのぎを削る姿はやけに美しく、まぶしかった…。 ...続きを見る

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2006/05/10 17:39
第111球
 ポーカーフェイスの裏側は、やはり余裕たっぷりだった。「いける!」「打てる!」…。 自信に満ち溢れていた。追い込まれながらも確信していた。どっしりと構えた。いつでも来い! って言っているようだった。  ...続きを見る

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2006/05/09 17:26
第110球
目を開けた。口元を真一文字に引き締めた。腹をくくったような顔をしている。もう迷いはなくなった、ということだろうか…。捕手・塚西のサインにうなずいた。殿檜杉のエース・立花恭兵は丘陵・流鏑馬義に向かっていった…。 ...続きを見る

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2006/05/08 17:41
第109球
 殿檜杉のエース・立花恭兵は深呼吸した。そして応援席に目を向けた。いつもと同じだった。彼女がベンチのすぐ上にいた。両手を握り締め、ちょっとうつむいて、ひたすら祈ってくれている。うれしかった。彼女を見てから「アレ」をやる。これが立花の儀式でもあった…。 ...続きを見る

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2006/05/08 01:15
第108球
 スタンドで目が光っていた。ビデオカメラを操り、パソコンも広げていた。時折、ノートに軽くメモもとっている。すべてが手慣れていた。目的があった。丘陵高校1年・流鏑馬義があの男のターゲットだった。アンドロメダの大田原健太郎の…。 ...続きを見る

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2006/05/02 17:48
第107球
 打球は一、二塁間を抜けていった。いい当たりではない。グシャって感じ。ただ"負けてたまるか≠フ気持ちが通じたとしかいいようがない。執念のヒットだ。一塁ベース上でガッツポーズも出た。自然と出た…。 ...続きを見る

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2006/04/30 04:43
第106球
 どうして、こうも次から次へと…。人には平等に運があるはずではなかったのか。運を呼び起こす努力の差なのか。それとも、それが運というものなのか…。人が見違えるほどに、いいように変わると、ついついそう考えてしまう…という。 ...続きを見る

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2006/04/28 17:59
第105球
 精神を集中させた。1球入魂。気持ちで投げる。ボールに気持ちが入る。不思議なものだ。いつもと同じ球のハズなのに、相手の反応が違っていた。根拠はない。ただ気迫があったか、ないか。これだけでもずい分、抑える確率が高くなった…。 ...続きを見る

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2006/04/27 17:52
第104球
 あっけにとられた。どうなっているんだ、こいつは…。何なんだ、こいつは…。すべての面でスケールが違っていた。悔しかったが、一ランクも二ランクも、いやもっともっと上のレベルに見えた。震えた。いや武者震いだ、と自らに言い聞かせた…。 ...続きを見る

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2006/04/25 17:33
第103球
 怖かった。自信に満ち溢れていた、あの顔が…。不敵な笑みさえ浮かべているように見える、あの顔が…。炎天下のなかで鍛え抜いていた証しのようなやけに日焼けした、あの顔が…。飲まれた。この時点では明らかに負けていた…。 ...続きを見る

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2006/04/24 18:08
第102球
 汗が飛び散った。ものすごい集中力。たかが野球ではない。その時、その一瞬に人生をかけて、魂を込めている。それが普通、というものだ。無我夢中、必死な姿は美しい。1球にかける熱い思いはプレーにそのまま反映された…。 ...続きを見る

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2006/04/20 17:30
第101球
 9回裏二死走者なし。1点リードの場面で出番がやってきた。まるで計算されているかのように、できすぎのシチュエーションだった。コーチから全力で投げることを禁じられていたのも、その瞬間は忘れていた。景気付けに拳を鳴らした。やったるでぇー。勇んだ。 ...続きを見る

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2006/04/18 18:32
タイム!
 アンドロメダをご愛読、ご訪問ありがとうございます。 ...続きを見る

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2006/04/14 16:09
第100球
 熱い夏だった。例年に比べても、かなり熱い夏だった。灼熱のグラウンド、その体感温度はいったい何度くらいだったろうか…。戦いも熱かった。両軍が燃えていた。火花が散った。甲子園に向けて、マンモスを目指してのドラマが繰り広げられた…。 ...続きを見る

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2006/04/13 17:24
第99球
 あの時、一瞬、静寂が起きたという。そして、すぐに今度はどよめきが起きたという。今のは何だ? むちゃくちゃ速くなかったか? あれは中学生が投げる球じゃないぞ、おい! こんな声があちらこちらから起きたという…。 ...続きを見る

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2006/04/12 17:50
第98球
 走っていた。黙々とグラウンド周辺を走っていた。元プロのトレーニングコーチ作成のメニューを忠実にこなしていた。下半身強化には相当な時間をかけているらしい。何でもまだ本気の100%で投げたことはないのだとか。未完の大器はじっくりと育てられていた…。 ...続きを見る

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2006/04/11 17:44
第97球
 きちんとした計画に沿っていた。5年先、いや10年先まで目標のスケジュールが完成され ていたといっていい。そして、ひとつ、ひとつ、一歩、一歩、階段を上っていた。焦ることはない。それが自分のペースなのだから…。そうすれば必ず夢にもたどりつく、と信じていた…。 ...続きを見る

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2006/04/10 17:20
第96球
 たくましかった。表現が難しいが、黒光りしている、とでも言おうか…。直感で、すごいヤツ、と思った。でも彼女にとっては想像通りだったのだろう。それを見ながら、優しく微笑んでもいるようだった…。 ...続きを見る

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2006/04/06 18:00
第95球
 うまかった。実に巧みだった。口技というか、なんというか…。これもテクニックといえるのだろう。男を操るツボでも心得ているかのよう。これが初めて、とは思えない。雰囲気をフワっと和らげ、スーっと、溶け込んでいった…。 ...続きを見る

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2006/04/05 17:51
第94球
 でかかった。とにかく、びっくりするくらいのデカさだった。おそらく初めて見た人は、その迫力≠ノ圧倒されるに違いない。居たら確実に目立つ。嫌でも目に付くハズ。今まで知らなかったのが不思議なくらいだった…。 ...続きを見る

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2006/04/03 18:44
第93球
 白球を追う姿が美しかった。大黒柱がいなくなって、むしろ燃えているような感じがした。負けてたまるか、との思いが伝わってきた。明らかにレベルが違った。これではかなわない、と思った。どうすれば勝てるのだろうって考えた…。 ...続きを見る

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2006/04/02 03:46
第92球
 まぶしかった。ちょっと大げさに言えば、ひきつけられた、吸い込まれた、気持ちよくもなった。気持ちが高ぶってもきた。もう一度、もう1回、と思った。彼女もうれしそうだった。彼女のおかげだった…。 ...続きを見る

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2006/03/30 18:31
第91球
 「ここがぁ…」。その場所に足がすくんだ。聞いたことはあったけど、来たのは初めて。ちょっとだけピクッとなりながらも、何か圧倒された感じだった。いうなればドギマギしている感じ。それを隣の彼女は見透かしたのだろう。辺りを見渡し、すかさず動いた。いきなりのキスだった…。 ...続きを見る

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2006/03/28 18:00
第90球
 もしも将来の何があるのなら、きっと尻にしかれるのだろう、と思った。その勢いに完全に圧倒されていた。まさに言われるがまま…。おいおい、ちょっと、って感じも、これがリズムにもなっていた…。 ...続きを見る

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2006/03/26 01:56
第89球
 気が抜けた。フッと力が抜けた。どうしようもないほどなえた。チャンスのハズなのに、ゲットできるかもしれないのに、その気になれなかった。人生における目標ってやはり大事なものなのだろう。ぽっかりあいた穴を埋めるのには時間もかかった。 ...続きを見る

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2006/03/24 00:38
第88球
 意地でもアレは使うまい、と心に誓った。自分をステップアップさせた魔法を今度は捨てることで、またもう一段、上のレベルを目指しているような気にもなった。まさに気の持ちよう。立花恭兵は何となくだが、自分が強くなった気がした…。 ...続きを見る

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2006/03/18 04:22
第87球
まず相手の言葉に耳を傾けた。全部、聞いてから自分の意見を口にするようにもしている。最初から相手を否定しない。それは違うなって思っても、まずは相手を尊重する…。これが高校2年生・立花恭兵のルールだった。子供の頃から親に言い聞かせられていたことらしい。だから幼なじみの薫のアドバイスにも素直になれた…。 ...続きを見る

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2006/03/17 03:45
第86球
 超高校級打者・フリッシュ欠場。本命不在の神奈川大会は大会はまさに戦国模様になった。何しろ、どんなに頑張ってもフリッシュにはかなわないとあきらめるしかない状況だったのが、突然、どこの学校にもチャンスが出てきたのだから…。 ...続きを見る

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2006/03/07 01:38
第85球
 父は沈痛な表情を浮かべていた。無念の思いはそれだけで十二分にわかった。世間を騒がせた思いもあるのだろう。フリッシュ発見の記者会見は何とも痛々しく、そしてまた謎だらけの内容だった、という…。 ...続きを見る

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2006/02/28 00:23
第84球
 その年の夏、各県予選直前の高校球界はざわめいていた。大物選手に問題が発生したからだ。間違いなく夏の超目玉だったあの選手に…。消えた…。いなくなった…。何があったんだ? どうしたんだ…? 大騒ぎになっていた。 ...続きを見る

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2006/02/24 16:47
第83球
 人との出会いは大切だ。いや大切にしなければいけない。いや大切だと思わなければいけない…。これだけの人間がいるなかで、偶然、出会ったのも運命、まして言葉を交わすことにもなったのなら…。何でも財産。絶対財産。そう思うようにしている、という。 ...続きを見る

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2006/02/23 16:35
第82球
 自分を自分でほめてやりたい。どんな時でも、こう思えるようにやっている、という。自分で自分が嫌になるってことがないように…。そう思いかけた時は無理やりでも自分は自分のことが大好きだ!=@って心の中で叫ぶようにしている。海に向かってほえるように…。 ...続きを見る

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2006/02/22 16:58
第81球
 快感だった。何ともいえない。何か突き抜けたような喜びだ。大したことではないのに、その瞬間だけはゴールに到達したような気分でもある。4番目の男がわかったことで首都タイムズアマチュア担当記者の樹鞍はまさにソレだった。 ...続きを見る

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2006/02/22 00:07
第80球
 粘り強さが信条だった。簡単に引き下がらない。いい意味でタフになろうと決めていた。ネバーギブアップ。使い古されたような言葉を、あえて心の中でつぶやいたりもした。やるだけやって、初めて自分も納得できる。やらずにできないか、やろうとしてできないか。これは大きな差だと思っている、という…。 ...続きを見る

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2006/02/20 17:14
第79球
 モノを探している時、目の前にあるのになぜか気がつかないことがある。そんな時、慌てずに深呼吸して、ほんの少しだけ冷静になったら見つかる時があるという。首都タイムズのアマチュア担当記者・樹鞍は何かに行き詰まると、まず深呼吸することにしている。 ...続きを見る

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2006/02/17 00:53
第78球
 思ったことはできる限り、即行動を心がけている。またいつか、また後日、と思ったら、結局、ずっと後回しになりがちだからだ。気になったら、心底、気にしてみる。やれる時には必ずやる。これが好結果をもたらすケースが多かった、という…。 ...続きを見る

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2006/02/16 01:37
第77球
 練習、努力の末につかんだものは大きな自信になる。でも、そこがゴールと思ったら、成長も止まると心得ている。何かをつかむ、何かを吸収してやる…。目標に到達したら、またもうひとつ上を目指す。その間に挫折があってもいい。それも必ずこやしにしてやると思った、という…。 ...続きを見る

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2006/02/13 01:32
第76球
 精神的に強くなった。いつのまにか強くなった。なぜだろうか。周りの目があまり気にならなくなった。これも集中力か。好きなことに取り組める喜び。さらに飛躍しようと思う向上心。親は親。自分は自分。あれほど嫌だった親の職業に関しても人に普通に話せるようになっていた…。 ...続きを見る

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2006/02/12 01:32
第75球
 後ろ向きになったら負け、と思った。悔しくても前だけ見よう、と思った。ただし、謙虚な心は忘れない、の条件をつけて…。よくプラス思考といわれる。違う。決してそうではない。いや、そうではなかった。一生懸命プラスに考えようとしていたら、いつのまにかプラスにしか考えられなくなった、という…。 ...続きを見る

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2006/02/10 01:07
第74球
 自分ひとりだけでは、ここまで来れなかった。応援が何よりも力になった。ともに戦う友。協力してくれた友人。こっそり見てくれた両親…。それらすべてがパワーの源になった。それらへの感謝の気持ちもまた力になっていた、と思う…。 ...続きを見る

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2006/02/09 01:17
第73球
 情報はどこに転がっているか、わからない。絶えずアンテナを張り巡らせて損はない。いくつも、いくつもの努力を積み重ねていくことが後の財産、富につながることは多々ある。大事なのはそれを無駄と思わないこと。首都タイムスの記者・樹鞍はいつもそれを心がけているという…。 ...続きを見る

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2006/02/08 01:31
第72球
 きっかけをつかんだ。それをつかんだだけでガラリと変わった。スランプ、壁にブチ当たっていたのがウソのように、モヤが晴れたように、突然、視界が開けた感じ…。一気に素質開花の道を突き進んだ。 ...続きを見る

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2006/02/06 20:01
第71球
 類は友を呼ぶ。魅力あふれるチームには活気があった。目を皿のようにして見ると気付き≠ヘいっぱいあった。それぞれの個性が素敵だった。輝いていた。夢と希望にあふれていた、といっても大げさではない。まぶしかった…。 ...続きを見る

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2006/02/04 01:03
第70球
 注目の選手は1人だけではなかった。隠し玉は他にもいた。夏の大会に向けて名将・大伴のもと東京・真極学園は間違いなくモデルチェンジしようとしていた。首都タイムズ記者の樹鞍の心を揺らすチームだった。 ...続きを見る

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2006/02/02 22:58
第69球
 ライバルの存在がありがたかった。負けたくない思いが気合いを高ぶらせた。身近な指針として、絶えず自分自身の発奮剤になってくれた。いつしか仲も良くなった。相通じる部分が多かったのだろう。アイツのおかげで自分はここまでなったとさえ思っている、という。 ...続きを見る

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2006/02/01 19:40
第68球
 聖地は夢に何度も出てきた。行ったことはない。写真などで見たことがあるだけ。実は日本のどの辺りにあるのかも正直、よくわかっていなかった。ただ、すごいところなんだろうって思った。そこに辿り着きたいって思った。そこを目指すのが、赤いおじさんとの約束だったから…。 ...続きを見る

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2006/01/31 16:59
第67球
 練習すれば、必ず目標に到達できる。この言葉をずっと繰り返してきた。必ず、目標を達成してみせる。この言葉も繰り返した。師匠≠ェ目の前にいなくても師匠≠信じた。自分を信じた。それが最大、最高のパワーになった。 ...続きを見る

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2006/01/30 17:57
第66球
 よく知らない日本を思い描いた。日本のプロ野球界を思い浮かべた。その世界にいる自分を想像してみた。考えるだけで楽しかった。スーパーマンの方々と同じ空間にいる、って思うだけで胸が弾んだ。その頃から、必ず、なろう、って誓っていた、と思う。 ...続きを見る

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2006/01/29 17:25
第65球
 あこがれた。あの人みたいになりたい、と思った。どうやったら、あの人みたいになれるのか、幼いなりに聞き回った、という。純粋に近づきたいと考えただけ。5歳にして、夢、目標が、自然とできあがっていった。 ...続きを見る

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2006/01/25 20:24
第64球
 闘志がほとばしっていた。気合、気迫…。5歳の少年にはよくわからない世界だったが、何だか、とてもかっこよく見えた。テレビのヒーローがいきなり、目の前に現れた、というような感じ。怪獣をやっつけてくれそうだった、という。 ...続きを見る

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2006/01/24 01:02
第63球
 ひかれるものがあった。自然に漂うオーラというか…。まさに未完の大器というか…。何ともいいようがない古城直人の魅力に健太郎は、はまっていた。アンドロメダの一員に加えたい、とひと目みた時から思った、という。 ...続きを見る

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2006/01/21 00:28
第62球
 久しぶりの日本生活に違和感なく、溶け込んでいた。日本語も想像以上に問題なかった。合宿生活も充実しているようだ。家族と離れ離れなのは寂しいようだが、それも野球をやっている時は忘れられるという…。 ...続きを見る

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2006/01/17 18:51
第61球
 そこには会いたい人物がいた。どんな魅力の持ち主なのか、どんな才能の持ち主なのか、何があの人を引きつけたのか、何があの人を決断させたのか…。いろいろ想像した。妙にワクワクした。会うのが楽しみだった…。 ...続きを見る

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2006/01/16 17:26
第60球
 二世同士が新しいコンビを実現した。1人は父の夢を追いかけて、もう1人は父の夢を受け継いで…。まぁ、そんなことはどうでもいい。やりたいこと、好きなものを見つけた2人は弾んでいた。成果があってもなくても関係なかった。ただ、充実している気がしていた。 ...続きを見る

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2006/01/15 17:41
第59球
 その時、悔しくて泣いたという。男は泣いてはいけない、が口癖の達将が…。狂った歯車は、簡単には戻らなかった。自暴自棄にもなった。1人で悩み、苦しんだ。今、振り返れば、その時間がもったいなくもあり、貴重でもあった、という…。 ...続きを見る

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2006/01/12 18:45
第58球
 達将は子供たちの前では強い父でいることにしていた。かたぶつで、あまり面白みのない父親だったが、これだけは徹底してきたつもりだった。長男・将吾には男は泣くな! 男は人前で泣いてはいけない≠ニ小さい頃から繰り返してきた。その達将が…。 ...続きを見る

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2006/01/11 22:22
第57球
 キムチ鍋だった。何か家族で重大な話をする時は、なぜか決まって、この鍋だった。たぶん、父がただ好きなだけなんだ、と思う。これがまた、うまかった。家族4人、妙に一体感もあるような気になったから不思議だ。みんな、軽く汗をかきながら…。あの日もそうだった。 ...続きを見る

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2006/01/10 17:12
第56球
 見るもの、聞くもの、すべてが新鮮だった。やれば、やるほど、野球の奥深さ、面白さを感じた。やはり血筋も関係するのだろうか。成長の度合いが違った。自分のやりたいことが見つかった、という感じだった。 ...続きを見る

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2006/01/07 16:48
第55球
 やれるだけ、やってみよう、と思ったという。挑戦してみよう、と思ったという。自分にはまだ可能性があるかな、とも思ったという。これまで知ることもなかった父の過去。思っても見なかった父の過去が、突然、将吾を野球のとりこにした…。 ...続きを見る

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2006/01/06 16:17
第54球
 キラキラ輝いていた。充実感があるのだろう。スポーツの世界に入り込んで、目標をはっきり見つけたからだろう。勉学一筋だった中学時代とはひと味もふた味も違う雰囲気を漂わせる。体も大きくなっていた…。 ...続きを見る

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2006/01/05 22:22
第53球
 名コンビだった。親友だった。切磋琢磨した。両方が刺激しあい、助け合いながら、実力を伸ばした。知る人が見れば、まるでタイムスリップしたみたいだった、そうだ。これも何かの巡り合わせなのだろうか。2組の父と子が同じ道を歩み出していた。 ...続きを見る

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2006/01/04 17:51
第52球
 新天地で生き生きとしていた。もう一度、夢にトライできる喜びを感じていた。このチャンスを生かすも殺すも自分自身。少なくとも悔いのない人生だけはやろう、やってやろう、と気合を入れ直していた。 ...続きを見る

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2006/01/03 21:55
第51球
 大きな目標への第一歩だった。急がず、慌てず、じっくりと…。自分のできることからやるようにした。必ず、その先に大きなものがある、と信じた。とにかく、まず行動ー。夢への道を確実に進んでいた。 ...続きを見る

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2005/12/31 20:15
第45球
 甘いマスクで目だけが輝いていた。おそらく女性にはかなりモテたと思う。胸が躍っていた。情熱にもあふれていた。燃えていた といってもいいだろう。やってやる! 変えてやる!…。すべての思いがエネルギーのようだった。 ...続きを見る

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2005/12/22 01:23
第44球
 雪が降っていた。冷たい雪が降っていた。寒さが身に染みた。心も凍えた感じだった。つらかった。なぜ? どうして? 何もかもが信じられない気分だった…。でも、すぐに何事もなかったかのような日常が戻ってきた。悔しかった…。 ...続きを見る

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2005/12/19 17:03
第43球
 口説ける と信じていた。何度も通えば大丈夫 と思っていた。相手からは、それなりのモーションもあった。今度こそ、いける とやる気になった。意地もあった。男の意地があった。絶対、ふりむかせる…。もう、それしか見えていなかった…。 ...続きを見る

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2005/12/18 16:40
第42球
 運命の扉を開いた。無理やり、こじあけた。腹はくくっていた。行ける と思った。大丈夫 と言い聞かせた。ドアの向こうに光が見える。それに導かれた と考えた。心配することはない。自分の信じた道を突き進むのみだった…。 ...続きを見る

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2005/12/16 17:29
第41球
 どうしようもなかった。苦しかった。無力を感じた。悲しかった。何とかならないか、 と思い悩んだ。真っ向からぶつかっていった。横から攻めてもいった。恋人を射止めるために、必死だった分だけ、切なかった…。 ...続きを見る

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2005/12/15 16:50
第40球
 耳を疑った。ウソだろ  って。どういうことだ  って。夢の世界に、夢の世界だったのに、嫌な気分になった。華やかな世界の裏側を感じた。一般の人たちが、テレビで見る世界との差を感じた。でもそれが、この世界 ということもわかった。むなしくなった…。 ...続きを見る

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2005/12/14 18:57
第39球
 夢の世界だった。あこがれの世界だった。その世界に関われることが喜びでもあった。もっと、よくしたい と思った。少しでも貢献できたら と思った。夢の世界をもっと、もっと夢いっぱいの世界にしたかった…。 ...続きを見る

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2005/12/13 18:08
第38球
 目標ができた。夢があった。未来に向かった…。追っかけた。夢中で追っかけた。前だけを見た。後ろは振り向かなかった。がむしゃらに生きた。人の分まで頑張ったつもりでもあった。力はなくとも、力がわいた。それは憧れのヒロインみたいなものだった のかもしれない。このままイッたれっー イカせたれー  って思った。 ...続きを見る

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2005/12/12 19:45
第37球
 約5年ぶりの再会だった。ともに体は一回り以上も大きくなっていた。どこかよそよそしかったが、それも仕方ないのかもしれない。以前は仲の良かった2人。運命にもてあそばれた2人のドラマはまだ始まったばかりだった…。 ...続きを見る

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2005/12/11 19:34
第36球
 対照的な2人だった。片や、興奮を隠せないでいると、もう片方は、妙に落ち着き払っていた。でも、取っ組み合いが始まりそうではない。何とも言えない空間ができあがっていた、と思う。 ...続きを見る

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2005/12/10 18:25
第35球
 語り口は穏やかだった。話の中身は、決しておとなしいものではなかったが、紳士の微笑みが間に何度も垣間見えた。昔の話とギャップがありすぎた分、へぇー って感じで明太郎は聞き入っていた。 ...続きを見る

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2005/12/09 16:46
第34球
 いきなり過去を語り始めた。なぜ、今、こんなことを言い出すのか。その思いの一端を知って欲しい、ということだった。信頼して欲しい、わかって欲しい、と訴えているのようにも感じた。ただ、それでも笑顔だけは輝いていた…。 ...続きを見る

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2005/12/08 18:58
第33球
 その答えは、あまりにもあっけないものだった。予想していたとはいえ、そんなものなのか、 と思った。理屈はわからないでもなかった。まぁ、そうだろう とは思った。でも、それでも、やっぱりガッカリだった…。 ...続きを見る

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2005/12/07 16:25
第32球
 その男の目は妙に穏やかに見えた。笑顔が輝いているようにも見えた。何となくホッとした。(注:別に面白い顔というわけではない) 何となく話に引き込まれた。勝手に暗いトンネルをさまよっていたのに、何となく光りが見えてきた ような気分になった…。 ...続きを見る

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2005/12/06 16:56
第30球
 危機的状況にあった。人気が下落した。大入り袋が配られていた時代が懐かしい。テレビ視聴率も低下した。二ケタ取るなんて夢の夢だった。プロ野球が…。 ...続きを見る

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2005/12/04 17:11
第2球
 鬼車寅吉40歳。プロ野球球団エイチエフ・ジャガースの一軍マネジャーを務めている。元左腕投手。24歳で社会人のクールセブンから入団し、1年目から貴重な中継ぎ役として活躍したものの、ヒジを痛め、27歳の若さで引退。打撃投手 球団広報、二軍マネジャーを経て3年前から現職に就いた。 ...続きを見る

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2005/11/04 17:09
第1球
 足をフラフラさせた。 ...続きを見る

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2005/11/03 16:48

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