| タイトル |
日 時 |
第305球
「あの出会いがなかったら、今頃…」。アンドロメダ調査員の架嶺雄大は、また、そんなふうに考えていた。過去を振り返るたびに、そう思ってしまう。そして、また、いつものように「人生ってわからないものだよな」とつぶやいてしまう。「もう、これって、俺のクセだな。笑っちゃうな」。口元がまたまた緩んだ。
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2009/08/10 01:15 |
第304球
アンドロメダ調査員の架嶺雄大は思い出し笑いもしていた。「気がついたら、アンドロメダに入っていたからなぁ…」なんて考えながら…。「俺の原点である札幌が新たな出会いに導いてくれたんだよなぁ…」。昨日のことのように思い出された。1日、1日、変化していた自分の気持ちにさえ気づかずに通り過ぎた日々が…。
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2009/07/14 01:47 |
第303球
東京都内のホテルでアンドロメダ調査員の架嶺雄大は、自然といろんなことを思い出していた。自分が担当した選手が愛知ソニックからドラフト指名された喜びをかみしめながら…。アンドロメダリーダーの大田原健太郎も同じだったのではないか。あの日がなければ、今はない。そして「彼」がいなければ今はない…。
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2009/07/06 02:48 |
第302球
「彼」は生活のために必死だった。それが今のすべてだった。1回成功したら、その評判は口こみで広がった。「最高レベル」はなかなか難しかったが、その日の食事は何とか確保していた。アンドロメダ北海道地区担当調査員の架嶺雄大が初めて会った時は、ちょうど2週間が経過したところだったという。
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2009/06/08 03:01 |
第301球
歴史が動いた…。東京都内のホテルでアンドロメダリーダーの大田原健太郎はメンバーひとり、ひとりと握手をかわした。ついにプロ選手が誕生した。それも、一度に2人…。北海道地区担当調査員の架嶺雄大が少々、驚きの表情の九州地区担当調査員の神威小次郎の肩を叩いた。「やったな」と…。
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2009/05/24 02:06 |
タイム!!!
タイム!!!
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2009/04/20 03:11 |
第300球
アンドロメダ的秋…。東京都内のホテル別室でアンドロメダリーダーの大田原健太郎らメンバーが勢揃いして、会議の結果を待っていた。とりわけ北海道地区担当調査員の架嶺雄大は落ち着かなかった。「架嶺さん、コーヒー、どうぞ」。九州地区担当調査員の神威小次郎も気を使った。運命のドラフトだった…。
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2009/04/13 03:31 |
第299球
三塁側スタンド、ベンチ上付近でアンドロメダリーダーの大田原健太郎は目を丸くしていた。「こんな選手がいるなんて…」。これまでも埋もれた人材探しに奔走していたつもりだったが、彼に関してはこれほどのデータはなかった。「手助けしたい」。即座に思った。
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2009/04/06 03:45 |
第298球
アンドロメダ北海道地区調査員の架嶺雄大はバッグからカメラを取り出した。望遠レンズで北斗星大4年の日向太良を追った。「架嶺さん、しっかりおさえておいてくださいね」とサブリーダーの鬼車寅吉が笑みを浮かべながら、声をかけた。「わかりました。まかせておいてください。でも、さん付けはやめてくださいよ」と架嶺も微笑んだ。
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2009/03/30 03:20 |
第297球
スタンドにいたソニックの火牙スカウトがピクッとなった。自然となった。それから後ろを振り返った。最上段にいるアンドロメダの面々たちの姿を見た。「もしかして、彼らはこれを…」と思っていた。彼らが好きそうな選手と思ったからだ。「プロなら今のでピンと来るよなぁ」と再び、マウンドに目を向けた。
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2009/03/23 02:16 |
第296球
北斗星大の学生たちが3人、スタンドで慌しく動いていた。新たにビデオカメラがセッティングされていた。「先輩に頼まれたのか」「いや、監督がとっておいてって。後で先輩にプレゼントするらしい。記念にね」。そんな話をしていた彼らが「おいおい先輩って左ききじゃなかったっけ」とざわつき始めた…。
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2009/03/16 02:44 |
第295球
「あれっ、神威はどうした?」。アンドロメダサブリーダーの鬼車寅吉が問いかけた。「ちょっと野暮用ができたそうです。あとで追いかけるからって言っていました」「さっきの女性だろう。あいつ、何か顔色が変わっていたから」「それはちょっとわかりませんが…」。そんな会話を聞きながら、リーダーの大田原健太郎は微笑んだ。
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2009/03/09 00:43 |
第294球
報道陣がざわついた。「それは引退ということですか」。代表質問者も戸惑っていた。「引退とまでいえる身分ではないと思いますが、まぁ、そういうことにもなるのでしょうか。まぁ、活動休止みたいなものと受け取っていただければ…」。精一杯の標準語で答えた。プロサイドにも衝撃を与えた。
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2009/03/02 03:17 |
第293球
「そんなバカな…」。某スポーツ紙を見て、アンドロメダ九州地区調査員の神威小次郎は思わず声を上げていた。「そがんことが、あるわけなか」。そうぶつぶつつぶやきながら、電話した。向こうは笑っていた。ケータイ越しだからわからないが、たぶん苦笑いを浮かべていたと思う。「気づかれないものですね」とも話していた。
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2009/02/23 01:24 |
第292球
これまではなかなかできなかった。それを吹っ切った。思い切り、自らを加速させた。後ろは振り返らず、とにかく前を見た。前だけを見た。信じた。自分を信じた。いつか必ず好結果が生まれる。いつか必ず、自分が納得できる成功がついてくる、と…。きれいごとでいい。情熱がそうさせていた。
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2009/02/16 01:23 |
第291球
夏の終わり、神奈川マジックの高杉明太郎は驚きの声をあげた。「なぜ、どうして」。そう言いたかった。でも、あまりに真剣な表情にそう言えなかったという。半分、頼もしく見えたからだという。「いつのまにやら…」と思った。そして最後には「その代わり、後悔するな。前を向いてやれ!」とハッパをかけた。
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2009/02/09 00:34 |
第290球
東東京・真極学園の大伴監督は「もう、これ以上言っても無理なんだろう」とあきらめた。それほど、彼、いや彼らの決意はかたかった。「また、秘密兵器をつくらないとな」。指揮官はつぶやいた。いったい、何が起きたのか。きっかけは、一通の手紙。それが届いてから、事態は急展開していた。
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2009/02/02 02:58 |
第289球
米国遠征に旅立った瑞泉(西東京)GSコンビ「G」剣源氏の表情はたえずさえなかった。「オレだけこんなことをしていていいのだろうか」。そんな気持ちだった。試合内容もさえなかった。第1戦に先発したが、打ち込まれた。バッティング調子ももうひとつ。どうにも集中していなかった。
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2009/01/26 02:24 |
第288球
マンモス大会後、米国遠征メンバーが発表された。瑞泉(西東京)のGSコンビ「G」剣源氏らが選ばれた。大会では特にスーパー1年生の活躍が目立ったが、代表に名前を連ねたのは、その剣だけだった。他の有力候補は故障などを理由に辞退していた。さらに1年生だけではない。2年生のあの面々も…。
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2009/01/19 02:14 |
第287球
熱い戦いの終わりとともに、予期せぬことが発覚した。それも夏のマンモスを魅了した球児のことで…。首都タイムズアマチュア担当記者の樹鞍諒一は慌てた。すぐに電話した。「何か聞いていませんか」とー。連絡を受けたアンドロメダリーダーの大田原健太郎は「制度改革のようですが…」と答えた。
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2009/01/11 01:02 |
タイム!!
タイム!!
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2009/01/01 15:31 |
第286球
アンドロメダリーダーの大田原健太郎は調査員たちを大阪市内の某料理店に集めた。マンモス大会までを振り返り、ざっくばらんに話をしながら…。そのなかでサブリーダーの鬼車寅吉がこんな話をした。「これはリーダーには伝えていることですが、明日、マスコミ発表されることがあります」―。
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2008/12/29 01:55 |
第285球
マンモスのグラウンドでは表彰式後の選手たちの行進が続いていた。スタンドからは両チームをたたえる拍手が鳴り響いた。決勝戦の主役たちのうち、数名はその場にいないのが残念だったが…。瑞泉(西東京)GSコンビ「G」剣源氏の目からは再び涙がこぼれた。守野台(兵庫)椿直広は放心状態のまま歩いていた…。
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2008/12/22 04:24 |
第284球
へなへなと座り込んだ。力が抜けた。まさか、こんなことに…。マンモスのざわめきもBGMみたいな気がした。画面を通じても、それがわかった。そんななか周囲は慌しかった。サイレンが近づいてきたからだろう。同じ場所に集結することになるなんて、もちろん思ってもいなかった…。
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2008/12/15 04:00 |
第283球
騒然、異様なムードのなかで試合は再開となった。だが、守野台(兵庫)、瑞泉(西東京)両軍ナインともに、表情はさらに硬かった。気持ちを切り替えなければ、と誰もが思ってはいたのだが…。9回二死。まさか、こんなヤマ場がこようとは…。スタンドの盛り上がりもやはり、それまでとは違っていた…。
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2008/12/15 03:46 |
第282球
サイレンが鳴り響いた。守野台(兵庫)対瑞泉(西東京)。マンモスには両軍サイドの声も響いた。スタンドの両軍サイドからも同じような声が…。KOSMOS放送の塁沢高次アナの声はかすれきっていて、聞き取りにくかった。雨上がりの空の色がなんとも言えない色にも見えた。
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2008/12/07 03:35 |
第281球
マンモスのスタンドが揺れた。守野台(兵庫)サイドからは「あと1球」コールが何度も何度も…。瑞泉(西東京)サイドからは「早瀬」コールが、これまた何度も何度も…。雨上がりの空の輝きが増した。灼熱の夏の空。グラウンド上の体感温度はいったい…。球場全体が熱く、熱く…。
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2008/11/30 02:39 |
第280球
その時、西宮市の某病院で飛浦海斗は声を失っていた。ロビーのテレビに群がっていた患者さんたちはざわつくばかりだった。守野台(兵庫)のエース・太薙原紘一対瑞泉(西東京)の1年生GSコンビ「S」早瀬将吾。マンモス決勝戦9回表二死からの対決は…。
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2008/11/23 04:58 |
第279球
KOSMOS放送の絶叫アナウンサー・塁沢高次のボルテージは上がりっ放しだった。1球ごとにシャウトした。スタンドもそう。1球ごとに双方の応援席から交互に声が上がっているような感じだった。マンモス決勝戦は、いよいよ大詰め。クライマックス。気合、気迫がグラウンド上に渦巻いた。
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2008/11/16 02:06 |
第278球
センターのポジションについた瑞泉(西東京)GSコンビの「S」早瀬将吾は肩と足を軽くさすっていた。「何とかお願いします。持ちこたえてください」。祈っていた。ここでリタイアするわけにはいかない。あと一勝負、残っている。「打てないはずはないんだ」。そう言い聞かせた。
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2008/11/09 04:10 |
第277球
マウンドをならしながら、集中しようと思った。もう1点もやるわけにはいかない。これ以上の失点は致命傷になる。相手を見て、そう思った。でも自分が抑えれば、必ず勝機はある、と思った。アイツは二度、同じやられ方はしない。そう信じていた。必ず、そうなる、と確信していた。
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2008/11/02 02:16 |
第276球
守野台(兵庫)の2年生・椿直広は、あの時のことをよく覚えている。同時に後悔している。あの日、あの時間に、なぜ、自分は…。もしも、いつも通り、秘密練習場に向かっていたら、あんなことにはならなかったかもしれないのに…、と。それだけに、今、この時が、マンモスの同じグラウンドにいることがうれしかった。
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2008/10/27 03:25 |
第275球
声を荒げて走った。もう、やみくもに走っていた。後先のことは考えていなかった。ただ、動いた。動かないとヤバイことが起きる。そう判断した。「おい! お前ら!」。もう一度、叫んだ。いくつかの黒い影が一斉に動いた。その先を歩く、明るい声はまだ響き渡っていた。
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2008/10/19 02:21 |
第274球
女子学生の明るい声が聞こえた。うれしくて、たまらないって感じで、その声はまさに弾んでいた。聞いている人間までハッピーな気分になるような声だったという。太薙原紘一(守野台)はその声を寝転んだまま、聞いていた。自然と微笑みながら…。だが、その後に…。
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2008/10/13 02:49 |
第273球
バットを2、3回、振ってから打席に入った。ピッチングよりバッティングが好き。自分が取られた分は自分で取り返してみせる、と意気込んでいた。ドデカイ、とてつもない相手であることは、わかっている。燃えた。同時に打ち崩す自分の姿を想像した。想像できた。ライバルは3本塁打。続こうと思った。
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2008/10/06 04:02 |
第272球
何かが光った。まぶしい、と思った。だが、それから先のことはよく…。ましてや、まさか…。体が覚えていたから、よかったのだろうか。助かったのだろうか。それもよくわからない。誤算だった。計画がすべて狂った。正直、あきらめてもいた。そして、励ましはパワーを与えてくれるもの、とその時、初めて気がついたという。
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2008/09/29 03:52 |
第271球
「大丈夫か」。イニングの合間、ほんの短い時間だったが、瑞泉(西東京)ベンチでも、守野台(兵庫)ベンチでも、同じような会話がなされていた。「ええ、大丈夫です」。回答も同じようなものだった。大熱戦のマンモス決勝。スタンドの盛り上がりも、いよいよ…。両軍アルプス席も実に騒々しかった。
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2008/09/22 01:43 |
第270球
「守野台! 守野台! 守野台!…」。海斗マニア団長の香村瞳は相変わらず声を張り上げていた。愛しの飛浦海斗はマウンドにいない。マンモスにもいない。それでも精一杯の応援だった。スタンドから飛浦の分まで、戦うつもりだった。右ポケットの青いハンカチを何度も握り締めた。
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2008/09/15 23:59 |
第269球
瑞泉(西東京)GSコンビの「S」早瀬将吾の母・愛子はマンモスの打席に立つ息子を見ながら、隣の夫・達将の高校時代とダブらせていた。自然と目に涙があふれた。今、ここにいるだけで幸せだった。あれから何年もたってから、こんな気持ちになれるなんて…。「将吾、ありがとう」。心から、そう思っていた。
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2008/09/08 01:38 |
第268球
アンドロメダ的夏…。スタンドの視線は1点に集中していた。瑞泉(西東京)アルプス席では、GSコンビの「S」早瀬将吾の父・達将が、いつのまにか、横にあったメガホンを強く握り締めていた。おそらく、見ている人の多くがそうだっただろう。「対決」に力が入った。息も飲んだ。ドキドキした…。
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2008/08/31 01:33 |
第267球
守野台(兵庫)の捕手・石陪歩はこぼれそうになる涙を懸命にこらえた。いつも当たり前のようにあったものが、突然、なくなってから、ここまでの大変だった日々を思い出したからではない。「オレのことなんて、アイツの苦しさに比べたら…」。苦しくなったらいつも、そう思ってきたから…。本当に、本当にうれしかった。
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2008/08/25 02:54 |
第266球
ネット裏の動きが慌しくなった。プロのスカウト陣の目が光った。アンドロメダリーダーの大田原健太郎は携帯電話を取り出した。九州地区担当調査員の神威小次郎が「国際電話ですか」と標準語で聞いた。サブリーダーの鬼車寅吉はメガネのレンズをふき始めた。打席では瑞泉(西東京)GSコンビの「S」早瀬将吾が軽くスイングしていた。
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2008/08/17 01:51 |
第265球
じっと見つめていた。タイミングを計っていた。不思議と、やりにくいな、とは思わなかった。守野台(兵庫)の1年生先発投手・飛浦海斗のナックルボールに対応できたからだろうか。それとはまた異質な相手とはいえ、何とかなりそうな気がしていた。「体さえ持ちこたえてくれたら…」。不安はそれだけだったという。
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2008/08/09 02:32 |
第264球
思い出していた。ここまでの道のりを…。いろんなことがあった。つらいことも、楽しいことも…。雨が上がり、強烈な日差し。体感温度はさらに上がった。立っているだけで汗がふき出した。マウンドに、その汗が落ちるのもわかった。暑かった。だが、ここまでを振り返れば…。「もうオレは逃げない!」。また、そう思った。
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2008/08/02 00:58 |
第263球
雨の後のマウンドは、やはり、ちょっとやわらかい感じがした。でも、そんなことはどうでもよかった。自分の鼓動が聞こえた。緊張感だけではない、と自分には言い聞かせた。もう逃げない、とも言い聞かせた。右腕を高く上げ、おろした。「いざ!」。ちょっとだけ声をあげた。今度は太陽が照りつけた。
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2008/07/26 04:16 |
第262球
グラブを外して、軽く屈伸した。それから、ユニホームを脱ぎ、アンダーシャツを脱いだ。バッグからタオルを取り出し、汗を軽くふき取った。左手で右ひじを触った。右肩をなでた。深呼吸して、新しいアンダーシャツを着た。もう一度ユニホームに袖を通した。帽子をかぶりなおした。グラブを持った。ベンチに向かった。
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2008/07/19 02:35 |
第261球
雨足が強くなった。グラウンドにも水がたまりそうだ。審判が試合を中断してもおかしくない勢い。だが、そのコールはない。銀傘の下のアンドロメダの面々も「ちょっと続行は厳しいんじゃないの」と話していた。白熱の決勝戦。その空模様も両チームに影響を与えるのか。
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2008/07/12 04:15 |
第260球
センターの瑞泉(西東京)GSコンビの「S」早瀬将吾も走った。全速力ではない。流した感じで走った。足の状態からして、それしかできなかった。マウンドのGSコンビの「G」剣源氏はそれを余裕の表情で見つめていた。満足そうな表情といった方が正解か。「勝った…」。そう確信していたようだ。
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2008/07/05 04:06 |
第259球
どうしても気になった。同じ高校1年生。正直、自分の方が力は上だろう、って思ってはいた。向こうはすごい人気だけど、顔だって、とさえ思った。だからだろうか。いざ対決すると、意識した分、何となく…。「負けたくない」。そう思った。力んでいた。しかし、それが不思議と…。
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2008/06/28 01:47 |
第258球
マンモス決勝戦。KOSMOS放送の塁沢高次アナは入れ込んでいく自分をわかっていた。「オーバートークは控えよう」と考えていたものの、だんだんと本来の…。すでに何度も絶叫はしていた。だが、まだまだ序の口のつもりだったようだ。試合は中盤。全国のお茶の間に、本格的な塁沢節もいよいよ炸裂しようとしていた。
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2008/06/21 02:27 |