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help リーダーに追加 RSS 第250球

<<   作成日時 : 2008/04/26 02:17   >>

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 「大丈夫か」。そんな声に振り返り、オーバーアクションで「ハイ、大丈夫です!」と答えた。本当は大丈夫、ではなかった。痛みもあった。しかし、これを敵に悟られてはいけない、と思った。普通に、普通に。それを言い聞かせながら、いつもよりもゆっくり歩いた。



 バットを軽く振ろうとして、やめた。腰のあたりを触った後、バットを握り直し、打席に向かった。穏やかな表情でゆっくり構えた。



 拳を握っては広げ、握っては広げ、をまだ繰り返していた。グー、パー、グー、パー。バッターが打席に入ったところで、グラブを外し、いつもの両手を交差する儀式を始めた。見た後は例によって「ヨシっ!」。短く声を発した。すぐにサインにうなずいて、投球動作に入った。といってもキャッチボールに毛の生えた程度のものだが…。



 マンモスの夏、瑞泉(西東京)対守野台(兵庫)決勝戦は5回表に入った。瑞泉、この回の先頭バッターは1番の早瀬将吾。GSコンビも「S」はここまで2打席連続でホームランをかっ飛ばしている。守野台の1年生投手・飛浦海斗も自然と気持ちが入っていたようだ。体の状態がどうかはともかく…。




 「この回、早瀬への1球目は外側にナックルボールでストライク!」。KOSMOS放送の塁沢高次アナが落ち着いた口調で実況した。



 まずは外の球に早瀬のバットは反応しなかった。



 飛浦はスタンドの海斗マニアの大声援を背に、テンポよく投げ込んだ。



 2球目も外角へストライク。飛浦とて、どこに行くのか、よくわからないナックルボールだが、うまくストライクを2球続けて取った。



 ちょっとだけ、感じていた。「指の感覚、手の感覚が戻ってきたような気がする」と…。コントロールしたつもりはなくても、何となく、狙って2球、ストライクを取ったような気もしていた。



 その間、早瀬はじっとしていた。余分な動きはしたくない、といわんばかりに、同じ状態をキープしていた。相変わらず、穏やかな表情で…。瑞泉・風喜監督の方が、何かそわそわしていた。1球ごとに、目が違っていた。



 一方の守野台・紀中監督はマウンドの飛浦の精神力にただ驚くばかりだった。ボロボロの体で戦う姿に感動さえしていた。4回裏に一気に5点差を追いついた。満塁の走者一掃の同点二塁打を放ったのも、飛浦だ。病み上がりの大エース・太薙原紘一がブルペンに控えていても、まだ飛浦を交代させたくないと思った。ここで交代させたら、飛浦の頑張りを否定しているように思えたという。早瀬に2発、GSコンビの「G」剣源氏にも2発。1回から3回まで毎回失点し、5点リードを奪われた。状態も決してよくない。でも飛浦は変わらず、必死だった。一生懸命だった。紀中監督はそんなところに、ひきつけられていた。



 そんな飛浦が2ストライクと早瀬を追い込んだ。「ナイスピッチング!」。紀中監督は大きな声を張り上げていた。



 早瀬は3球目も見送った。今度は低めのボール球だ。



 「ボール!」。審判は4球目もそうコールした。外のボール球。早瀬はこれにもバットは動かなかった。飛浦のナックルはこれまで以上にキレがいいようにも見えたという。




 ここで早瀬はバットをいったんおろして、足場を整えた。




 風喜監督は早瀬の肩を心配していた。4回の守備で飛浦の打球を追いかけて、フェンスで右肩を強打していた。普通に見せていたが、痛みは相当なものだったという。ベルトが切れたふりをして、ベンチに戻り、応急手当だけ受けた。今夏の瑞泉、最後の秘密兵器として、準備されていた「リリーフ・早瀬」はこの時点で消滅していた。密かに甲子園のマウンドを楽しみにしていただけに、早瀬も本当は悔しかったが、そんな顔も見せずに普通に守備に戻ったところ、今度は忍川の打球をダイビングキャッチした時に、運が悪いことにまたまた肩をグラウンドにたたきつけた。激痛が走ったという。




 だが、風喜監督はこの時、早瀬の状態で知らないことがあった。




 カウント2−2。足場を整えた早瀬は再び構えた。飛浦がキャッチボール投法でナックルを繰り出す。2人の三度目の対決。勝負の5球目だった。
 

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コメント(2件)

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いきなりで悪いですが
リンクしといてもいいですか?
よかったら僕のブログに返事下さい。
お願いします。
だいとーりょー
URL
2008/04/27 19:34
だいとーりょーさんへ。
コメントありがとうございます。リンク、よろしくお願いします。
妃垣俊吾
URL
2008/04/29 02:23

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