アンドロメダ

アクセスカウンタ

zoom RSS 第301球

<<   作成日時 : 2009/05/24 02:06   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 歴史が動いた…。東京都内のホテルでアンドロメダリーダーの大田原健太郎はメンバーひとり、ひとりと握手をかわした。ついにプロ選手が誕生した。それも、一度に2人…。北海道地区担当調査員の架嶺雄大が少々、驚きの表情の九州地区担当調査員の神威小次郎の肩を叩いた。「やったな」と…。




 ドラフト会議でアンドロメダメンバーを指名したのは愛知ソニックだった。スカウトの火牙健太がすぐに、アンドロメダメンバーが集まる別室をノックしてきた。



 「火牙さん、ありがとうございます」。出迎えた健太郎は深々と頭を下げた。



 「いえいえ、お礼をいいたいのはこちらの方ですよ。他球団も狙っていたみたいですから。特にグレートが…。2人とも、タッチの差だったんじゃないかと思います」



 ソニックはドラフト2位と3位の枠を使った。



 「中央では無名の2人ですから、グレートさんも、その他の球団も4位以下だったかもしれません。そんななかソニックさんが一番、高い評価をしていただきました。本当にありがとうございます」。健太郎はもう一度、頭を下げた。




 アンドロメダは、埋もれた逸材に練習環境などを無料で提供する集団だ。条件は、プロ入りできた時はマネジメントをアンドロメダが行うこと。それだけだった。たとえ、プロに進めなくても「無料」は変わらない。とにかく与える、与える、が基本理念だ。




 「でも火牙さん、まさか彼まで、こがん上位で指名してくれるとは思わんかったです。こっちは指名なしも覚悟しとったですけん…」。神威が火牙に握手を求めながら、そう言った。


 神威はまだ興奮している感じだった。「まさか3位なんて…。さっき、本人にも電話ばしましたけど、驚いとったですよ。学校もびっくりしとったみたい。マスコミも1人しかおらんかったそうです。ソニックの地元の新聞が慌てて向かったみたいですけどね」と早口でまくしたてた。



 「1人、いたのは樹鞍さんの首都タイムズでしょ。あそこはアンドロメダさんを網羅していますからね」と火牙は笑いながら、そして健太郎の顔をちらっと見た。




 架嶺も火牙と握手した。「ありがとうございます。彼はこれからの選手です。まだまだ伸び白もいっぱいだと思います。どうぞ、よろしくお願いします」。



 「本当はあの人も、ウチにほしかったんですけどねぇ。でもダメなんですよね。今や、アンドロメダにとっては貴重な存在みたいですし…。こういっちゃなんですけど、ウチに来るよりも年俸が高いんでしょ。彼のためにも、見送らせていただきましたよ」。そう言って火牙はまた健太郎の顔を見た。



 健太郎は微笑むばかりだった。



 火牙のいう「彼」の存在は確かに大きかった。「彼」のおかげで、2人は指名された、といってもいいかもしれない。



 架嶺はさっきまで、その「彼」と電話で話していた。この日のドラフトのことではない。さらに新しい先のことを…。




 「彼」は札幌を拠点にしていた。東京出身だから別に東京在住でもいいのだが「彼」が札幌にこだわった。「原点」だからと…。




 振り返れば架嶺にとって、大きな出会いだった。その時は大した出会いとは思ってもいなかったが、今になって思えば…。




 札幌のあるグラウンドで架嶺は「彼」を初めて見た。埋もれた人材を探す調査の一環で、いろんなところを見ていた。別に「彼」を見に行ったわけではない。まさに、たまたま、だった。いや、初めて見た時も、そんなに気になる存在ではなかった。





 「それじゃあ、錠さん、頼むよ」



 「条件は、わかってますよね。それだけはよろしくお願いしますよ」



 「わかっているよ。クリアしたら必ずね」



 グラウンドでは、そんな会話がされていたそうだが、その時の架嶺はまったくそれを聞いてもいなかった…。ただ漠然と見ていた。



 のちに言われた「秘技・球速アップ」を…。




  • 前球(第300球)へ

  • 次球(第302球)へ

  • テーマ

    関連テーマ 一覧


    月別リンク

    トラックバック(0件)

    タイトル (本文) ブログ名/日時

    トラックバック用URL help


    自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

    タイトル
    本 文

    コメント(0件)

    内 容 ニックネーム/日時

    コメントする help

    ニックネーム
    URL(任意)
    本 文

    メルマガ野球小説アンドロメダ

    メルマガ登録・解除
    野球小説アンドロメダ

    読者登録規約
    >> バックナンバー
    powered by まぐまぐ!
     
    第301球 アンドロメダ/BIGLOBEウェブリブログ
    文字サイズ:       閉じる